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ソレダル自体は人口1万人程度の都市で、この後その隣にあるバーフムト市(人口10万人程度)もロシア軍に占領されるか、という方が問題です。
 そして、ソレダルとバーフムトで死亡したウクライナ軍の兵士と兵器の数が問題です。

ガダルカナル島の戦いのようなもので、バーフムト市自体を失ったからといって、ウクライナの首都が危なくなるとか、他の大都市もすぐに制圧されてしまう、ということはありません。
 しかし、バーフムトの戦いは、双方の歩兵が何万人も投入され、その多くが死亡し、何万発もの砲弾を撃ちあった、という、とにかく犠牲と消耗の多い戦いです。
 犠牲と消耗が多いのはロシア軍の方です。ただ、ロシアというのは、だいたいどの戦争でも敵より多くの戦死者を出しながら、さらに兵士を投入して最後には勝つ、という戦い方をします。人間は、領土を広げてそこから連れてくればいい、というやり方です。
 ウクライナ軍にとっては、兵士と兵器を失っていくことが最大の問題です。

ロシアも近代国家の体裁が一応あるので、そこらじゅうの男を片っ端から捕まえて兵隊にする、というのはできなくなっています。
 兵士を連れてくることにおいて、今や絶大な権限を持つようになったワグネル社は、重要な役割を果たしています。
 ワグネル社の戦闘員は5万人は超えていますが、借金を返せないでいるロシア人を勧誘するのはもちろん、
・刑務所に収容されている受刑者を連れ出す
・外国人出稼ぎ労働者を勧誘する
・シリア、セルビアなどの諸外国から勧誘する
・欧米やアフリカの民間軍事会社複数と契約してウクライナの戦場に投入する
などの多彩な手法によって、空軍まで持つ独自の軍事集団になっています。
 ワグネル社のオーナー、プリゴジン氏は、プーチン大統領の側近とはいえ、ロシアの正規軍と並び立ちかねない強大な軍事勢力となって独自に軍事作戦を展開していて、ロシア国防省や軍のトップたちを無能呼ばわりしています。

ロシアの最高権力者というのは、フビライ・ハーンとか、ユーラシア大陸の制覇者のようなものなので、多民族の軍勢を競わせながら使いこなして領土を広げていくのが主な仕事です。
 プーチン大統領も、正規軍の他、ワグネル社とか、チェチェン軍団とか、多民族の軍団を各個で競わせています。無論、内紛や戦利品争いも起きます。
今回のソレダールでの戦いで明らかになったのはロシア軍では達成できない目標もワグネルは達成できることが証明されたこと、そしてロシア軍がワグネルを公式に認めざるを得なくなったこと。これでロシアはワグネルの蛮行の責任を取らなければならなくなる。
ほかの報道などとも突き合わせると、ソレダール(ソレダル)をロシア軍が制圧したか、ほぼ制圧した可能性は高いのでしょう。

ソレダールは塩の産地のようです。ウクライナ語で塩は「シーリ」(ロシア語ではソーリ)で、ソレダールの地名の由来となっているとみられます。

また、南西約12キロには、注目の激戦地バフムート中心部があり、ロシア軍がソレダールを制圧すれば、バフムート攻防にとって有利な状況となる、とロシア側は主張しています。ただ、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、そこまでの戦略的重要性はないとの見方を示しています。

第三国の機関とはいえ、戦争研究所の「見立て」は多くが的確だったと私は考えています。最近のロシア側の戦況がよくなかったことと合わせ考えれば、ロシア側が成果を誇張している可能性もあり、それは対外的という目的以上に、国内向けのPRかもしれません。

先日、プーチン大統領がオンライン会議で、航空機の調達契約の遅れをめぐって副首相のマントゥーロフ氏を叱責したことが話題になりましたが、公の場でプーチン氏が閣僚らを「怒ってみせる」というのはしばしばあることです。

そこには国民向けに「あえてやっている」という見せしめの狙いがあると言われています。いずれにしろ、国内・国民宣伝は徹底するプーチン政権(もっともプーチン政権に限らず、ソ連時代もそうだったのでしょうが)ですから、そうしたことを総合考慮して今回の制圧発表を受けとめる必要があるな、と個人的には考えています。
もう少し待ってみないとよくわかりませんね。ワグネルですし拷問虐殺が心配です。