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Weekly Briefing(スポーツ編)

錦織圭が4回戦進出、日本代表敗退、大相撲人気復活

2015/1/25
Weekly Briefingでは毎日、ビジネス・経済、メディア・コンテンツ、ワークスタイル、デザイン、スポーツ、中国・アジアなど分野別に、注目ニュースをピックアップ。日曜日はスポーツに関するニュースを紹介します。

Pick1:大相撲人気が復活 15日間「満員御礼」が確実に

大相撲、15日間満員御礼へ 東京開催場所では18年ぶり(中日新聞、2015年1月23日)

大相撲初場所は今日、千秋楽を迎える。白鵬の33回目の優勝が決まった傍らで話題になっているのが、15日間「満員御礼」が確実になったことだ(すでに千秋楽のチケットは完売)。「若・貴ブーム」が巻き起こった1997年以来のことである。

この相撲人気復活を後押しているのが、女性のファンたち。日本相撲協会も女性のニーズをうまく捉え、遠藤や隠岐の海などのイケメン力士による「お姫様抱っこ」や、白鵬や稀勢の里らが乗船する2泊3日の大相撲クルーズを企画して話題になった。

人気回復に沸く「大相撲」…若貴フィーバー再来? 「遠藤」「隠岐の海」が“お姫様抱っこ”(産経ニュース、2015年1月3日)

逸ノ城という新たなスターも登場しており、大相撲の人気がさらに高まるだろう。

Pick2:ソフトバンク工藤新監督のマネジメント論

ソフトバンク連覇への“工藤イズム”。対話力、盤石の組閣、そして厳しさ(Number、2015年1月20日)

ソフトバンクの新監督に就任した工藤公康は、どんなマネジメント哲学を持っているのか? Numberの連載コラム「野球クロスロード」(文・田口元義)に詳しく書かれており、興味深い。

工藤監督が重視しているのは「いかに自分のやりたいことを部下に伝えられるか」だという。選手にはコーチが教え、監督は間接的に関わるべきと考えているからだ。

「監督というのは、理想としている攻撃パターンや守備、投手起用もそうだけど、自分がやりたい野球、あとは自分の想いとかね。そういう、目指しているものをコーチにしっかり伝えていくことが大事なんだ」

「それをコーチたちが選手に伝えていく。時には監督が直接、選手個人と話さなければならなかったり、自分からミーティングを開く必要も出てくるんだろうけど、監督というのは本来、間接的に選手に伝える側の人間でなければならない」

「要するに、自分の意思をどれだけコーチやトレーナー、フィジカルコーチなどに明確に伝えられるか、指示系統をちゃんと作れるかなの。監督がよくても、その下の人間がしっかりしていなければチームは絶対に強くならない」

西武の黄金期を築き、ダイエーや巨人でも日本一になった「優勝請負人」の監督としての手腕に、今年は注目が集まりそうだ。

Pick3:サッカー日本代表がベスト8で敗退

アジア杯 日本 準々決勝で敗れ連覇ならず(NHK、2015年1月23日)

オーストラリアで開催されているアジアカップにおいて、日本は準々決勝でUAEと対戦し、PK戦の末に敗れてしまった。優勝候補の筆頭がベスト8で姿を消すことになり、今大会最大の番狂わせである。

日本は先発固定の弊害もあって体が重く、前半7分にいきなり失点してしまった。選手交代によって流れを引き寄せ、日本は後半36分に柴崎岳のゴールで追いつくものの、さらに不測の事態が起きる。

長友佑都が足を痛めてしまったが、すでに3人の交代枠を使い切っており、交代させられなかったのだ。苦肉の策で長友はあまり動かなくて済む中盤の位置で出場し続けたが、日本は実質的に10人で戦わなければならなかった。グループステージを含めて、選手の疲労をコントロールできなかったことが悔やまれる。

試合翌日、日本サッカー協会の大仁邦弥会長はアギーレ監督の続投をほのめかしたが、八百長の告発がスペインの裁判所で受理されれば、状況は一気に変わるだろう(1月中旬に受理されたと現地で報じられたが、まだ報道のみで正式な発表はない)。

アジアカップの早期敗退で、アギーレ監督への風当たりはさらに強くなった。UAE戦の柴崎投入は采配の才を見せたが、先発固定によって采配が必要な状況を自ら招いてしまったとも言える。解任は既定路線だ。

今週の注目スポーツイベント

【テニス】1月26日(月):全豪オープン4回戦(*錦織圭 vs D.フェレール)
 【サッカー】1月31日(土):アジアカップ決勝
 【サッカー】1月31日(土):レバークーゼン対ドルトムント(*香川真司)
 【野球】2月1日(日):プロ野球キャンプイン
 【テニス】2月1日(日):全豪オープン男子シングルス決勝
 【サッカー】2月1日(日):ACミラン対パルマ(*本田圭佑)
 【NFL】2月1日(日):第49回スーパーボウル

ドロー表
【特別テニスコラム 文・上田裕】

◎全豪オープン1週目レビュー&2週目プレビュー

全豪オープンの大会6日目が終了し、男女ともに4回戦進出(ベスト16)の選手が出揃った。ここまでの大きな波乱は男子は第2シードのフェデラー、女子は第4シードのクビトバの早期敗退といったところだろうか。中でも、フェデラーの敗退(3回戦で世界46位のセッピに敗戦)は大きなトピックとして取り上げられた。

それもそのはずだ。フェデラーはセッピにはこの試合まで過去10戦10勝、全豪オープンも2004年から2014年まで毎年ベスト4以上に進出、歴代最多タイの4度の優勝を飾っているなど好条件が揃っていたからだ。フェデラーが全豪オープンで3回戦で敗退するのは2001年以来14年ぶりのこととなった。

では、フェデラーが敗退した今、男子シングルスの今後の行方はどうなるだろうか。上の男子シングルスのドローを確認してほしい。

トップハーフ(ドロー左側)の最有力はやはり第1シードのジョコビッチ。ジョコビッチもフェデラーと同じく過去4度全豪で優勝を飾っているが、その実績通り今大会もこれまで全てストレートで勝ち進んでおり好調さを見せつけている。

ジョコビッチと恐らく準決勝で対決するのは、恐らく第4シードのワウリンカか第5シードの錦織の勝者だろう。どちらもここまで上位シードの強さを見せて勝ち上がってきた。ジョコビッチは昨年の全豪でワウリンカ、全米で錦織に苦杯を嘗めたこともあり、そのどちらと対戦することになっても目の色を変えて戦うことは間違いない。

ボトムハーフ(ドロー右側)で好調なのは第6シードのマレーだ。昨年の不調は脱したのかここまで全てストレートで勝ち上がってきた。4回戦の第10シードのディミトロフとの対戦が試金石になるだろうが、ここを勝ち抜けば決勝までいく可能性は大いにある。

第3シードのナダルはまだ万全でないのか、2回戦で予選上がりのスミチェクにフルセットまで追い込まれた。試合を重ねるたびに調子を上げることが多かったナダルだが、武器のスピンボールが浅くなり叩き込まれる場面がまだよく見られる。まだ優勝をするほどの調子は戻っていないのではないか。

また、ボトムハーフのダークホースがノーシードで上がってきたトミックとキリオスの2人のオーストラリアの若手だ。ここ15年ほど、オーストラリアのテニスはずっとヒューイットが引っ張ってきたが、ようやくグランドスラムで中心となれる若手が育ってきた感がある。地元の熱狂的な応援をバックに番狂わせを起こせるか。

◎4回戦進出、錦織圭の1~3回戦と今後

第5シードの錦織圭は1回戦で世界69位のアルマグロ(最高9位)に6-4、7-6、6-2の3-0で勝利、2回戦で世界86位のドディグ(最高29位)に4-6、7-5、6-2、7-6の3-1で勝利、3回戦で世界38位のジョンソンに6-7、6-1、6-2、6-3の3-1で勝利した。4回戦の相手は第9シードのフェレールとなった。

1〜3回戦の勝ち上がり方を見てもわかるように、決して楽な勝ち方はしていない。アルマグロとドディグも怪我でランキングを落としていただけで、万全なら4大大会でシードがついてもおかしくない選手だ。1〜3回戦の対戦相手はタイプこそ違えどみな攻撃的な選手であり、リスクを取って強打やネットプレーなどの攻撃を仕掛けてきた。そこまでしなければ錦織に勝つチャンスはないと判断したのであろう。

先述の対戦相手はその攻撃力で錦織に対しタイブレークに持ち込んだり、セットを奪ったりもしたが、結局錦織はその攻撃に対応して自分のペースに持ち込み、最後は要所を抑えて勝ち切っている。自在なストロークで相手を支配するという、錦織が一番得意とする勝ち方ではないが、この要所を抑える勝ち方は、ジョコビッチなどの上位選手がよく大会序盤で見せている勝ち方だ。

特に目を引くのはサービスの向上だ。3回戦のジョンソン戦では15本のサービスエースを奪った。一番の武器であるストロークはまだスピンがかかりきらずアウトするケースが散見されるなど、準優勝した昨年全米ほどの安定感とキレはないように感じるが、向上したサービスに助けられている。

4回戦の相手である「スペインの鉄人」とも言われるフェレールは絶対に諦めない闘争心と鉄壁の守備を武器としている選手であり、これまでの試合とは違ってロングラリーが多くなるだろう。だが、「どっちかというと自分のテニスが良くなりやすい相手ではあると思います」と本人も言うように、ラリー戦に持ち込む錦織が得意な展開になることが期待できる。

実力は互角かそれ以上の選手と対戦することとなる2週目に、錦織がどのような戦い方をするか目が離せない。