[ベルリン 4日 ロイター] - ドイツのシンクタンク、アゴラ・エネルギーウェンデが4日公表したデータによると、ドイツは昨年の二酸化炭素(CO2)排出量が横ばいとなり、目標を達成できなかった。エネルギー消費が減り、再生可能エネルギーの生産が過去最高を記録する一方、石油と石炭の利用が増えた。

昨年のエネルギー消費は前年比4.7%減少し、東西ドイツ統合後で最低となった。エネルギー価格の高騰、穏やかな天候、ロシア産ガスの突然の輸入停止を受けた政府による省エネの呼び掛けが奏功した。「しかし石炭と石油の使用が増加し、省エネによる排出量削減が帳消しになった」という。

電源ミックスに占める再生可能エネルギーの割合は46%と過去最高を記録。しかしCO2排出量は約7億6100万トンで、目標の7億5600万トンまで抑えられず、1990年比で40%削減するという2020年の基準を下回った。

ハーベック経済・気候保護相は、アゴラのデータはドイツが正しい方向に進んでいることを示しており、昨年は再生可能エネルギーの拡大を加速させるためにいくつかの法案を可決したと述べた。

政府は2045年までにCO2排出量を実質ゼロとし、30年の排出量を1990年と比べて65%減らす目標を掲げている。