2023/1/4

【入魂1万字】鈴木健が目指す「なめらかな社会」の全貌

東京大学 特任研究員
ロシアのウクライナへの侵攻や、中間選挙で再び明るみに出たアメリカの分断。2022年は、世界中であらゆる価値観がぶつかり合う1年だった。
そんな争いをなくすために、国家や組織、そして個人の壁を取り除き、「なめらかな社会」にしていこうと提唱するのが、東京大学特任研究員で、スマートニュースの創業者でもある鈴木健氏だ。
鈴木氏は2000年頃から、なめらかな社会を実現するためにテクノロジーをどう使えるかをテーマに据えて研究を続けている。
そして2013年に300年後の社会システムをデザインする構想を、『なめらかな社会とその敵』という著書にまとめた。
出版から約10年が経ち、2022年10月に50頁の補論が追加された文庫版がちくま学芸文庫から発刊され、話題を呼んでいる。
混沌とする時代に鈴木氏のメッセージを改めて読み、2023年を生きるヒントにしよう。
INDEX
  • 社会の仕組みが単純化されすぎている
  • テクノロジーで貨幣をアップデート
  • 労働者が「資本家」になる
  • 正義と正義がぶつかり合う時代
  • 社会契約説をアップデートせよ
  • 「Web3」はなぜ重要か
  • 軍事や安全保障も「なめらか」に
  • 「個人」の形を問い直す新しい民主主義
  • さまざまな価値観が共存する社会を目指す