2023年の宇宙、どうでしょう? (1−6月の宇宙開発編)
TECH+(テックプラス)
44Picks
コメント
注目のコメント
よくまとまっている記事です。何点か補足します。
1. ソユーズMS-23ですが、宇宙飛行士の救助のため無人で打ち上げられる可能性があります。現在ISSにいるMS-22に穴が空いてて、ロシアの3人の宇宙飛行士がこれで安全に帰還できないと判断された場合は代替機としてMS-23が2月に無人でISsに向かい、宇宙飛行士はこれに乗って帰還します。ロシア側は昔から自動ドッキングをやってるので、こうして無人でも運用できるのですね。何かと人力に頼るアメリカ側と比べてロシア側のシステムの強みです。
2. イオといえば、現在木星を周回しているNASAの探査機Junoも2023年末と2024年にイオに接近し観測します。ガリレオ以来の久々のイオフライバイ。楽しみです。
3. 来年のスケジュールでもっとも不確定性が大きいのがSpaceXのStarshipでしょう。もともと軌道飛行試験がたしか今年春に予定されていました。だいぶ遅れています。何かしらの技術的問題があるのでしょう。この試験の成否とタイミングが、アポロ以来初の有人月着陸を狙うArtemis 3の行方を大きく左右します。なぜならStarshipによる月着陸船を使用予定なので。もし来年に一発成功させれば2025の有人月着陸は現実味を帯びてきます。もしうまくいかなければ、見通しが悪くなりますね。Starshipの第一段は33基のRaptorエンジンと、30基のNK-15エンジンを使った旧ソ連の未完の月ロケットN-1よりも大規模なクラスター構成なわけですが無事に飛ぶのか。
エンジンの数が多いとはその分故障のリスクが掛け算で増えるわけで、ちゃんと飛んだらエンジニアリング的に凄い達成だと思います。