「スタートアップ冬の時代」に上場する。〜noteのIPOに際して〜
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注目のコメント
noteを書いたCFOの鹿島です。IPOを経験した今の率直な気持ちを綴っています。
今年の相場の下落は、上場/未上場問わず、多くのスタートアップが影響を受けました。
その環境下でIPOという多くの企業にとって一度しかないコーポレートアクションを行うことについては、CFOとして葛藤があったのも事実です。
ただ、すべての会社にとって上場はゴールではなくスタート。平川さんが記載されているグロースモデルによってさらに事業とサービスを伸ばして、noteの街を拡大していくため、スタートラインに立つことを選びました。
もちろん、この環境下で「上場しない」を選択するスタートアップもあると思います。正解はありませんし、スタートアップにとっては選んだ道を正解にしていくことが重要だと思います。
今年一年のスタートアップ環境のふりかえりとして、ぜひご一読いただけると嬉しいです。noteCFO鹿島さんの上場note。誠実で率直なお人柄が感じられて、ダウンラウンドの上場については色々思うところもありましたが、たしかに上場を通過点と考えると今というタイミングだったのだろうなと納得をしました。
また下記の発言については完全に同意で、私自身もメディアビジネスに携わって経験も含め、優れたコンテンツが報われる世界であってほしい、という思いが強く、この思いを上場後もさらに推進していってくださることを応援しています。
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収益性の面で従来のネットの主なマネタイズエンジンである広告は単価が低く十分な収益をクリエイターに還元しにくいため、インターネットはクリエイターが手間と時間をかけた本気のコンテンツが流通しにくいという課題がありました。
noteは、このインターネットにおける流通とファイナンスの課題を解決しようとしています。
------市況が厳しい中で上場するnoteのCFO鹿島さんによる、なぜ上場したのかについての記事です。
上場をゴールとするならば今ではないが、上場はゴールではなく、目指すべきところのための通過点としての上場だからだ、というご主張でなるほどと思いました。では何を目指しているのかという点については下記の記載があります。
「特に収益性の面で従来のネットの主なマネタイズエンジンである広告は単価が低く十分な収益をクリエイターに還元しにくいため、インターネットはクリエイターが手間と時間をかけた本気のコンテンツが流通しにくいという課題がありました。
noteは、このインターネットにおける流通とファイナンスの課題を解決しようとしています。インターネットにおけるコンテンツの流通とファイナンスの仕組みを構築するプラットフォームですので、単なる投稿サイトではなく、将来的に非常に大きなところ、インフラのようなサービスを目指しています。」
広告モデルではないビジネスモデルでのメディアプラットフォームの展開であり、このモデルが世の中に根付きつつある、という状況であると思います。もちろん、この先、恐らくもう2段階ぐらい戦略的なデベロップメントが必要ではあろうと思います。同社の概要資料(https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS05592/fa315c27/8750/4136/8610/d0376a2a3e3f/20221222172840633s.pdf)によると、現在事業としては二つ、noteとnote proですね。
前者は流通総額が84億円、後者は表示の金額ベースで年間で3億4000万円の売上。後者をどのくらい事業開発できるか、前者のnote事業も、さらにプラットフォーマーになる地道な変革が必要でしょう。
様々なプラットフォーマーが後ろを追いかけてくるとは思いますが、square創業者のジム・マッケルビーの著書『Innovation stack』にあるように、どのくらい一つ一つの機能を高め、かつそれらをシステムとして蜜に連携させ、システム全体としての価値を構築するのかが問われるのだと思います。大変なプロセスではあると思いますが、noteの事業の先にある未来を目指して頑張っていただきたいと思いました。