2022/12/26

【塩野七生】日本は「失敗を許せる国」になれば没落しない

歴史の女王、NewsPicksに降臨。
塩野七生氏といえば、ヨーロッパ史を題材に数々の歴史エッセイをものしてきた、日本を代表する歴史作家だ。
代表作「ローマ人の物語」は、刊行開始から30周年を迎えてなお読者を魅了し続けている、タイムレスな名作である。2022年に亡くなった出井伸之・ソニー(現ソニーグループ)元社長ら、政財官のトップランナーに愛読されてきた。
中国、台湾、韓国でも刊行され、英語でも読むことができる。世界累計販売部数は1800万部にも上り、日本人作家による歴史文学で、これほど海外でヒットした作品は他にない。
この秋、イタリアから3年ぶりに帰国した塩野氏。彼女をつかまえ、NewsPicksは独占で4時間にわたるロングインタビューを行った。
ロシア、中国、米国……大国がいがみ合い混迷する世界情勢はどうなるのか?
衰退する一方の日本に活路はあるのか?
こういった問いに対し、塩野氏が持つ巨視的な歴史観からヒントを得るためだ。
日本が誇る歴史の女王への、独占ロングインタビュー。今日は前編をお届けする。
INDEX
  • ロシアが見せた「野蛮な者の強さ」
  • 中国には二つ足りないものがある
  • なぜローマは1000年以上も繁栄したか
  • ダ・ヴィンチは失敗ばかりだった
  • 国の繁栄には「異分子」が必要
  • 格差が固定した国は衰退する
  • 富裕層からお金を吐き出させよ
  • 日本はヴェネツィア式で生き残れ