ペルー大統領、内閣改造で首相を交代へ
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注目のコメント
〇ペルーでは政情不安が長く続いています。
〇カスティジョ政権は、昨夏の発足から1年半で、すでに首相(5名)や閣僚(数十名)の更迭や辞職、混乱が続き、今回のカスティジョ大統領の失脚も全くの予想外ということではありませんでした。
・カ大統領は、もともと教員労働組合の指導者で、政治経験は乏しく、国を率いる手腕は疑問視されていました。(昨夏の大統領選では、右派のケイコ・フジモリ氏(フエルサ・ポプラル党)と大接戦。)
・議会では、カ大統領の与党「ペルー・リブレ」(PL)は少数派。
・PLは、マルクス・レーニン主義を掲げる共産主義政党。
・PL内も一枚岩ではなく、カ大統領が穏健路線を取ろうとして、急進派のセロン党首と対立。
・カ政権は、天然資源やエネルギーの国有化などを掲げ、経済界を中心に不安視する声が大きかった。
〇もともと経済格差が大きいところに、新型コロナ等も加わり、特に貧困層で不満が蓄積。
〇ボルアルテ新大統領が、事態を鎮静化できると見る向きは少なく、混乱は続くでしょう。
〇最近、ペルー、ホンジュラス、チリ、コロンビアなどの中南米で左翼化傾向が進んでいます一般に、左派政権は、思想的には“西”より“東”に近いわけで、ロシアが低迷する今、中国との結びつきが強まる傾向にあります。
そういった意味では、中南米の政治的混乱は、日本を含む世界のパワーポリティクスにも影響を与える事象といえ、注視が必要と思います。