FRB、見通し上回る水準まで金利引き上げる必要も=クリーブランド連銀総裁
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資源価格の高騰とコロナ禍による供給制約で物価が急速にあがり始めた当初、FRBはこの種のインフレは一時的なものと主張して対応が遅れ、インフレ心理の昂進が労働市場の逼迫と相俟って賃金と物価の上昇スパイラルが始まりました。インフレの原動力が、供給不足という外生的なものからインフレ心理が引き起こす内生的なものに変わっています。
こうした形の物価上昇はインフレ心理という人間のあやふやな感性に依存するだけに、理屈で推し量ることが出来ません。一旦収まったように見えても何かのきっかけでインフレ心理に再び火が付けば、雇用市場が相当緩んで消費が冷えない限り、再びぶり返すこともあるでしょう。「見通し上回る水準まで金利引き上げる必要も」という見方を含めいろんな見方が出て来る所以で、人々の心理(≒期待)というコントロールし難いものに依存する政策が内包する危うさの表れの一つであるように感じます。
モノの値段が1割近く上がる中、賃金とサービス価格が上がらぬ我が国で日銀は賃金と物価の上昇スパイラルを起こすべく金融緩和を続けています。これが奏功すれば、日本のインフレも資源価格の上昇と円安という外生的なものからインフレ心理に裏打ちされた内生的なものに変わります。生産性が上がらぬ我が国でそうしたインフレが起きた時、国民は果たして豊かになれるのか。
米欧の現況を見るにつけ、聊か考え込まされる昨今です。米国の貯蓄率は急低下しているが、コロナ時の政府からの給付金でストックとしての貯蓄はまだコロナ前を上回っている。こいつがヤバくなってくれば一挙に消費が冷え込んでさすがにFRBも悠長なことを言ってられなくなる。その時期は来年の夏頃かな。「インフレを持続的に低下させるために、かなりの期間にわたり金利を高水準い維持する必要がある」なーんて言っていられるうちが華やね。
たぶん金利引き上げのたびにおんなじようなこと言って、いつも突発的な想定外の出来事なんてのを口実に当初想定よりも短期間で利下げするというのが、お決まりのパターンかな。
人間の心理としてお尻に火がついてまで、「インフレを持続的に低下させるため」なんて言い続けらるわけないもんね。