[ワシントン 15日 ロイター] - 米政権は15日、中国半導体メーカー大手の長江存儲科技(YMTC)や主要な人工知能(AI)向け半導体メーカー21社を事実上の禁輸リスト「エンティティー・リスト」に追加すると発表した。

21社には、寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ)や中国電子科技集団(CETC)などが含まれる。ほかに注目されるのは深セン市鵬芯微集成電路製造(PXWセミコンダクター・マニュファクトリー)で、同社は深セン市政府が支援し、中国の通信機器大手である華為技術(ファーウェイ)の元幹部が率いるスタートアップだ。

リスト追加によって、YMTCは米国のサプライヤーから製品を調達する際に特別な許可が必要となり支障が生じる。他の21社には、米国製の装置を使用して世界各地で製造された技術へのアクセスが事実上阻止されることになる。

米商務省の高官は声明で「米国の国家安全保障上の利益のため、先端技術へのアクセスを拒否する断固とした行動が必要」とした。

YMTC、寒武紀科技、CETC、PXWからは今のところコメントを得られていない。政府シンクタンク「中国科学院」から2016年にスピンアウト(分離)し、4年後に上場した寒武紀科技の株価は16日に6%安で寄り付いた。

在ワシントンの中国大使館は、米国がテクノロジー分野において「露骨な経済的な強制といじめ」に関与し、米中企業間の正常なビジネス活動を損ない、世界のサプライチェーンの安定を脅かしていると非難。「中国は中国企業・機関の合法的な権利と利益を断固として保護する」とした。

米商務省はまた、中国軍の近代化を支援した疑いで、中国唯一のリソグラフィー企業である上海微電子装備集団(SMEE)を含む9企業を同リストに追加。そのほかYMTCの日本子会社を含め、30超の企業が追加されたことになる。

米政権は同時に、輸出管理における「未検証リスト(UVL)」から一部の中国企業を除外。YMTCとSMEEも除外されたが、エンティティー・リストに追加された。