2022/12/9

【東欧起業家】日本で成功できれば、どこでも成功できる

NewsPicks 編集部
外国人が、日本で起業するって、どれぐらい大変なんだろう──。
アメリカでの取材で、若い起業家のパワーにめちゃめちゃ刺激を受けると同時に、いかにマイノリティーが活躍するのが難しいのか、少しかもしれないけど身をもって体感した私は、日本に思いをはせていた。
より均質性が強い日本だと、アウトサイダーはもっと大変だろうな。。
そんなときに、ウクライナからやってきて日本でスタートアップを立ち上げた女性がいることを聞きつけた。
アンナ・クレシェンコさん。2020年、京都を本拠地に、フェムテックの「Flora」を創業した26歳の女性起業家だ。
なぜ、あえて日本で起業? しかも、今は悲しい戦火に苦しむウクライナから…。
マイノリティという立場になってまで、日本で起業する背景ってなんだろう。そもそも日本になんかチャンスはあるのだろうか。やっぱりいわゆる日本人ばっかりだし、困難は想像できるけど…。
そう疑問を抱えながら、ブルガリアに出張中のアンナさんをズームで直撃し、ぶつけてみると、思わぬ返事がかえってきた。
「もし日本で成功できれば、どんな国でも成功できる」
この言葉の真意はなんなのか。日本で起業したきっかけから、自分のバックグラウンドを活かしたビジネスについて、サービスを立ち上げるまでの苦労など、1時間を超えるロングインタビューで語ってもらった。
INDEX
  • 壁、壁、壁、そして起業
  • 日本には「ギャップ」がある
  • 「体」について話せる場
  • 日本で一番苦労すること
  • 変えられない「外の人」という刻印
  • 祖国のためにも「利益」を出す

壁、壁、壁、そして起業

──そもそも日本に来たきっかけは?
私は6歳から空手をやっていました。武道は、ウクライナでも人気のスポーツです。
当時はプロ選手としてナショナルチームに所属していたので、世界一である大阪の道場に通いたいと思っていました。
同時に勉強もしたかったので、日本は一番魅力的な選択肢でした。
そのため、大阪大学で日本語や日本文化を勉強しながら、オリンピックを目指しました。
でも、オリンピックの壁は高く、途中から外交官になるための勉強に切り替えることに。翌年、京都大学に入り、政治や法律を学び始めました。
でもそこで、また壁がありました。