(ブルームバーグ): 半導体の受託生産最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は6日、米アリゾナ州での投資額を400億ドル(約5兆4800億円)に増額し、 最先端の回路線幅3ナノメートル(ナノは10億分の1)半導体を製造する第2の生産設備を建設する計画を発表した。 2026年の量産開始を目指す。

24年の稼働開始を予定する建設中の工場についても、5ナノメートル製品を製造する当初の予定を変更し、4ナノ製品の生産に変更する。魏哲家最高経営責任者(CEO)によれば、TSMCは25年には2ナノ製品の生産開始を計画している。

台湾TSMC、1-3月売上高は前年同期比36%増-過去最高を更新

TSMCが米で4ナノ半導体生産を計画、アップル要請で-関係者

着工済みのフェニックス工場(投資額120億ドル)を視察したバイデン米大統領は6日の記念式典で演説し、「アップルは先端半導体を全て外国から購入せざるを得なかったが、サプライチェーンのより多くの部分を今後は国内に持ってこられる。ゲームチェンジャーになり得る」と歓迎した。

バイデン大統領のほか、アップルのティム・クックCEOやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のリサ・スーCEOも式典に出席した。

過去2年の半導体の供給途絶は米企業の売り上げに甚大な打撃を与えた。対米投資を拡大するTSMCの計画は、半導体メーカーを米国に誘致し、苦境の再発を防ぐバイデン政権の取り組みの成果を誇示するものといえる。

TSMCはアップルなど主要顧客から、より先端的な半導体を米国で生産するよう要請されていた。アップルのクックCEOはこの日、大部分の同社製品に搭載されるシリコンチップがフェニックス工場で製造されることになると述べ、米国製の半導体チップを同工場から調達する方針を確認した。

アップルCEO、米国製チップ搭載方針確認-アリゾナ工場から調達へ

米アップルが米国産半導体の調達を準備、アジア依存からシフト (1)

原題:Tim Cook, Biden to Help TSMC Unveil $40 Billion US Chip Plan (1)、

Biden Joins Tim Cook to Hail TSMC’s $40 Billion US Chip Venture(抜粋)

 

--取材協力:Akayla Gardner.

(バイデン大統領の演説内容を追加して更新します)

©2022 Bloomberg L.P.