(ブルームバーグ): 米アップルは将来の自社製電気自動車(EV)のための野心的な自動運転計画について、目標とする技術レベルを引き下げ、発売の目標時期も約1年延期して2026年とした。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

社内で「タイタン」と命名されたこのプロジェクトは、同社が目指してきたハンドルやペダルもない完全自動運転車は現在の技術水準では実現不可能という現実に直面し、この数カ月間、宙に浮いていた。

情報が非公開だとして、関係者が匿名で明らかにしたところでは、今回の方針転換により同社は現在、ハンドルとペダルがあり、幹線道路での完全自動運転機能のみ支援する設計を計画しているという。

関係者によると、アップルはこれまで販売価格を12万ドル(約1640万円)超と見込んでいたが、現在は10万ドル未満を目指している。これはテスラの「モデルS」の低価格帯バージョンやメルセデス・ベンツの「EQS」とほぼ同水準。

アップルの広報担当者はコメントを控えた。

6日の米株式市場でアップルの株価は約2%安で推移していたが、自動運転計画を巡るブルームバーグ・ニュースの報道を受け、一段と下落した。終値は2.5%安。

原題:Apple Scales Back Self-Driving Car and Delays Debut Till ’26 (1)(抜粋)

(計画変更の詳細などを追加して更新します)

©2022 Bloomberg L.P.