2022/12/6

【分析】英デジタルバンク「レボリュート」は日本で勝てるか

NewsPicks編集部 スタートアップ
金融とテクノロジーの融合(フィンテック)は、規制産業である金融業界をどう変えていくのか。
日本では、アメリカのテック企業による日本のフィンテック系スタートアップの買収や出資も相次いでいる。
2021年7月のグーグルによるスマホ決済「pring」の買収、同年9月、米ペイパルによる後払いサービス「Paidy」の買収も記憶に新しい。
また、2022年3月には、ジャック・ドーシー氏が率いる決済サービスの米ブロックがキャッシュレス決済の「Kyash」への出資も大きなニュースだった。
こうしたなか、2年前に日本参入したのがイギリスの「レボリュート」だ。スマホを中心に銀行のようなサービスを手がける「デジタルバンク」として、イギリスでトップを走る。
(写真:ロイター/アフロ)
イギリス最大のデジタルバンクである同社は、2年前に日本で鳴り物入りでサービスを開始したものの、国内で派手な広告を打つこともなく、不気味なほど静かだ。
その一方で、2022年9月には、経営管理や外部委託先管理、マネロン対策に「重大な問題が認められる」として、金融庁から業務改善命令が出た。はた目には日本のビジネスは順調と言い難い。
NewsPicks編集部は、この度、日本市場強化を目的に来日した同社のニコライ・ストロンスキー創業者兼CEO(最高経営責任者)に直撃した。
レボリュートの直近の企業データを見ながら、CEOの発言を徹底分析していく。
INDEX
  • 赤字でも評価は4兆円超え
  • 「加盟店手数料」で儲ける
  • 日本市場での「強み」
  • 最初のターゲットは海外旅行者
  • パートナーとなる日本の銀行を探す

赤字でも評価は4兆円超え

まずレボリュートの基本情報をおさらいしていこう。
設立は2015年で、本社を英国ロンドンに置いている。メインのビジネスとして、海外送金や決済・両替サービスを展開する。