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ウクライナでの戦争は、少なくとも今後100年間は世界中で徹底的に研究されるでしょう。今世紀にこれから起きる戦争に向けて、今のところは最も戦訓をもたらす戦争です。

ロシア政府指導部(プーチン大統領とその周辺)は、2月24日から数日で、首都キーウでウクライナ政府高官と政府主要機関をことごとく制圧するつもりでした。
 いわゆる斬首作戦ですが、ウクライナ政府が機能しなくなれば、他の地域も抵抗できずに、全土を10日もあれば制圧できる、という目論見でしょう。
 米軍がイラク戦争でやってみせたようなことです。
 米軍にできたことがなぜロシア軍にはできなかったのか、これはロシア軍にとってはもちろん、中国軍などにとっても、軍事的実力の評価において致命的となりかねない大きな課題です。

当然、米軍にできてロシア軍にできなかった理由はいくつもあり、報告書にも多数記されています。
① ロシア軍内への情報共有の欠如
 国境沿いに配備されていたロシア軍の現場の指揮官クラスですら、直前まで作戦計画を知らされていませんでした。
 報連相の不足、ということでもありますが、ロシアが民主的な体制ではないこと、情報漏洩を恐れる秘密主義であること、プーチン大統領とその周辺で全て決定されてしまうこと、といった、ロシアの国のあり方そのものの問題です。

② 通信の不備、または軽視
 ロシア軍に使用されていた通信機は暗号化されない非常に古いもの、もしくは中国製の安価なもので、ウクライナ側の(支援にあたっている米軍の早期警戒管制機からも)傍受を容易にしました。
 情報通信技術は現代戦の要であり、そこをケチってはすぐに致命的な弱点になるのですが、その認識が欠けていたようです。

③ 電子戦の連携欠如
 敵側のレーダー網や通信網をジャミングで機能停止させて、その隙に防空システムやレーダーを航空攻撃やミサイルで破壊する、というのが米軍のやってきた電撃的な戦争の基本です。
 ロシア軍も電子戦ができなかったわけではないのですが、ウクライナ側だけではなく、ロシア軍のレーダーや通信も機能しなくなり、あきらめざるをえませんでした。

ロシア軍は明らかにウクライナ軍より優位にあったのですが、情報通信技術を使った現代戦での連携、情報の共有ができず、優位を活かせませんでした。
キーウの電撃制圧作戦が失敗し、ウクライナの必死の抵抗で全土制圧に失敗し、ウクライナが1ヶ月耐え切って西側が大規模軍事支援に乗り出し、ウクライナ軍が想定以上に能力が高く国民の戦意も強く、ロシア軍が想定以上にダメダメだった場合のプランXを用意していなかったプーチンに残された道は破滅しかないのでしょうか。
ここまで長期化するとは思っていなかったということですね。
報告書にはウクライナ軍の判断ミスについても書かれているそうです。