2022/12/1

【保存版】世界で加速する「ファストファッション規制」の全貌

NewsPicks編集部
先日、東京に中国のファストファッションブランド「SHEIN」の店舗がオープンし、話題を呼んだことは記憶に新しい。
SHEINの急成長ぶりを見ていると、ファストファッションの勢いは衰えていない……という印象を抱く人もいるだろう。
しかし、日本の外では、すでにファストファッションというビジネスモデルそのものが「全否定」されている。このことを知っている日本人は少ないかもしれない。
「ファストファッションはサステナブルではない」
そんな強いメッセージを打ち出したのは、今年3月に発表された「EUテキスタイル戦略」だ。
以降、EU各国が、サステナビリティをうたったファストファッションブランドなどに対して、「うわべだけの環境配慮なのではないか」との疑惑を投げかけ、厳しい取り締まりを実施している。
今、サステナビリティをめぐるスタンダードはどのように変わりつつあるのか。
環境対策の歴史をひもときながら、これからの企業に求められる「常識」を、世界のサステナビリティ推進の動きに詳しいローランド・ベルガーの福田稔氏に聞いた。
INDEX
  • グリーンウォッシュ規制化の歴史
  • 2019年、サステナ本格化
  • ファストファッション、否定へ
  • ものづくり全体の見直しが必要
  • アメリカでも進む規制の厳格化
  • 日本企業がやるべきこと
  • サステナは経営戦略

グリーンウォッシュ規制化の歴史

──「グリーンウォッシュ」という言葉は、1980年代に登場しています。例えば、2009年に欧州でマクドナルドがロゴを緑色に変えた時にも、消費者団体からグリーンウォッシュを指摘されたことがありました。
ただ、一部の国で規制まで設けられるようになったのは、つい最近です。どういう経緯で取り締まりが厳しくなったのでしょうか。
福田 ご指摘のとおり、「グリーンウォッシュ」という言葉や概念自体はかなり前からありました。それが、ファッションの文脈においては、直近の2-3年で急激に規制に向けた動きが加速しています。