2022/11/29

【解説】TikTokでブーム急騰。架空経済「ダブロン」とは何か

The Guardian

INDEX

• ゆるく楽しむ協力型RPG
• 「ネコの画像」がすべての始まり
• 瞬く間に複雑化する経済
• ユーザーを襲う巨大インフレ
• 「反資本主義運動」の誕生

ゆるく楽しむ協力型RPG

「ダブロン・エコノミー」とは、TikTokを沸かせている最新のブームだ。

これは、「ダブロン」という架空の通貨を集め、架空のアイテム（スープや武器、馬の頭を持つ巨大なサメなど）と交換する、ゆるい設定の協力型ロールプレイングゲームのようなものだ（ダブロンという呼び名は、同じ名称の16世紀スペインの硬貨に由来する）。

ゲームの流れはこうだ。ユーザーが「おすすめ」ページをスクロールすると、山ほどある「ダブロン・トック（DabloonTok）」動画のどれかに行き当たる。

多くの場合、これらの動画には「やあ、旅人さん（hello traveller）」という決まり文句で話しかけてくるネコが登場する。そして、ダブロンを気前よくくれたり、ダブロンで購入できるアイテムのリストを見せてくれたりする。

pic.twitter.com/PzmSvUUGEz

— Matilda Boseley (@MatildaBoseley) November 25, 2022

コメント

注目のコメント

• 角田 拓志

  株式会社モンドリアン メタバースエバンジェリスト

  ・2022年11月29日

  こういったミームやコンテンツが生まれるのはUGCならでは。短尺ドラマが流行ったかと思ったらダブロンのようなゲーム性を持ったものが生まれる。どうやったらこんなもん思いつくんだという発想とそれを盛り上げて巨大コンテンツにしてしまうかコミュニティの力。ここを狙って伸ばしていくことができるようなコンテンツプロデューサーが今後生まれるかもしれませんね。
• 藤田 美菜子

  NewsPicks 副編集長

  ・2022年11月29日

  TikTokのユーザー同士が「想像上の通貨」をやりとりするという微笑ましいごっこ遊びだったはずが、ごく短期間のうちに巨大インフレ→規制の発動→反資本主義の盛り上がり……という怒涛の展開を見せている「ダブロン・エコノミー」。実社会の縮図ともいうべき、この謎のムーブメントをGuardian紙が解説します。
  
  ユーザーの声を見ていると、「現実的なリスクなしに、経済のうねりに影響を与えることができる高揚感」にハマっている人が多いのも興味深いです。
• 望月 里彩

  第3期Student Picker 慶應義塾大学商学部3年 会計

  ・2022年11月29日

  自分は普段あまりTikTokを使っておらず「ダブロン・エコノミー」、初めて聞きました。
  現実社会をギュッと縮めて詰め込んだような感じでしょうか。
  時間の流れがどんどん早くなっていく現代において、それでもまだ足りない人々が、こうした架空経済で早送りの生活を実感しているのではないかという印象を受けました。現代人の生き急いでいる感じが伝わってきますね。