(ブルームバーグ): チェース・コールマン氏率いるヘッジファンド運営会社タイガー・グローバル・マネジメントは、未公開株投資ファンドの評価額を年初来でほぼ4分の1引き下げた。同社全体では420億ドル(約5兆8700億円)の資産減少で、業界でも有数の規模となる。

さらにタイガーのベンチャー部門が保有し、以前は非上場だったがその後上場した数社についても評価損が生じていると、事情に詳しい複数の関係者が語った。タイガーの担当者はコメントを控えた。

同部門は昨年末時点で650億ドルの資産を保有していたが、資金調達に絡む会計処理と投資家への分配金を踏まえた9月末時点の資産評価額は約430億ドルに減少。未公開株投資の評価額は24%減額した。上場企業投資部門の資産は350億ドルから150億ドルに縮小したと、関係者は説明した。

タイガーはヘッジファンドやロングオンリーファンド、小規模のクロスオーバーファンドを運営しているが、今年は全てが記録的な損失へと向かっている。ヘッジファンドの年初から10月末までの成績はマイナス54.6%と低迷する。

タイガーはテクノロジーや消費者関連セクターに重点を置く傾向がある。評価額を引き下げた企業には、決済ソフトウエア・プロバイダーのストライプや食料品配達プラットフォームのインスタカート、破綻した暗号資産(仮想通貨)交換業者のFTXなどがある。

原題:Tiger Global Slashes Value of Private Assets by Almost a Quarter(抜粋)

©2022 Bloomberg L.P.