ソマリアで爆発、100人死亡 首都で過激派テロ
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ソマリアでは、自爆攻撃は毎週のように起きています。
1990年代の内戦以来、ソマリアは群雄割拠状態で、首都の中央政府が全土を掌握している、ということはなく、常にいくつかの武装勢力が各地を支配しながら、領地を広げようとしてきました。
北部は、ソマリランド共和国を名乗って独立状態です。国家として承認しているのは台湾だけですが、実質的には独自の統治をしています。
南部で勢力を持っているのは、今回、首都で自爆攻撃を行ったアッ=シャバ―ブ(直訳すると「青年」、正式名称は青年ムジャーヒディーン運動)です。
先週も、南部の主要都市キスマユで自爆攻撃を行っています。
アッ=シャバーブは、国際的な文脈としては、アル=カーイダに属しています。一時は首都も支配していましたが、侵攻してきたケニア軍に排除されました。
彼らが首都で行う自爆攻撃は、閣僚や国会議員、中央政府の中枢を狙ったもの、もしくはケニア軍を標的にしたものが多いです。このテロに関してソマリア政府はイスラム過激派アルシャバーブの犯行だとして同組織を非難しています。
ここのところ、ソマリア政府軍とアルシャバーブの戦闘は激しさを増していました。今月中旬には、中部にある政府軍の基地をアルシャバーブが襲撃し、大規模な戦闘になり兵士3人と戦闘員50人以上が死亡。政府軍は過去3週間に中部で実施した作戦で40以上の村を解放し、アルシャバーブの戦闘員500人以上を殺害したと発表していましたので、今回のテロ攻撃はその報復だった可能性があります。
政府軍と過激派の戦闘は終わる見込みがありませんので、残念ながらこうした悲惨な事件は今後も続くでしょう。ソマリアと聞くとどうしても映画ブラックホーク・ダウンを思い出してしまうのですが、アメリカ軍はトランプが引き揚げたものの、今年5月にバイデンはアルシャハーブ掃討の目的で再度軍を少数駐留させたと報道がありました。
数カ国入り乱れるシリアにもアメリカ軍は駐留していますが、ウクライナのみならず動向は把握しておきたいものですね。