人的資本経営、成長企業は「実践」着手傾向がマイナス成長企業の1.7倍以上――アビームコンサルティング調査
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一番の驚きはこれだけ「人的資本」「人的資本経営」が連日叫ばれていても、全体で3-5割だけが理解・実践しているという実態です。逆に言えば5-7割が置いて行かれている状況、これが日本の実態。
一方で、まだ実践的な取り組みについてはベンチマークやベストプラクティスが不足していますから、その辺りの整備は必要と言えば必要。他社事例を見て、良い事例を模倣しながら徐々に日本企業にも浸透していくとは思いますが、スピード感が問題です。
「人的資本経営」とカッコ良い名前をつけても、本質的に「人的資本」をどのように図っていくのか。企業価値との相関性、本当に資本として積み上げていく部分を測定していくのは簡単なことではありません。100点の回答が今世の中に存在しているわけではないからこそ、もっと柔軟かつクリエイティブに、それぞれの会社が考える「人的資本」を定義し、運用し、その効果を確認し、ステークホルダーに説明しながら、OODAサイクル的に回していけば良い気がします。
どうしても、完全なものを求めすぎて、アクションが遅れてしまうことで、結果的にクリエイティビティも発揮さず、ローカルの特性も咀嚼しきれず、世界から一周遅れになりがちなのもその辺りに起因しているように思います。
「人的資本経営」はこれからどんどん解像度が上がっていく分野です。仮に「十分に理解していない」としても、まず自社にとって「人的資本」がなぜ重要なのか、どのように「人的資本」を可視化し計測してくのか、「人的資本」を高めるためにどのような投資を行い仕組みかしてくべきか。
人材戦略が全く存在しない会社は皆無なはずです。ただ、その自社のやり方が「人的資本経営」という難しい言葉で表現されるほどのものかどうか自信がないだけだとすると、そんなプライドはまず捨てて、実態の人材戦略や人的資本に向き合い、その実態を示すことでたりてないのであれば改善し、さらに投資し良くしていけるならそれをすぐに実践することで結果を示す。
そういう発想でやっていけば、もっと実践的な「人的資本経営」の原型が日本の市場の中でも見えてくると思います。働きがいのある組織創りなど本質的な実践を前提として、このような非財務情報の可視化によって投資家との対話に厚みがでて、財務情報だけでは測れない継続的な成長ポテンシャルのある企業にリスクマネーが提供される好循環が起きると良いと思います。
売り上げが拡大している成長企業は、マイナス成長企業と比べると、人的資本経営を理解し実践している割合が高いという、興味深い調査結果ですね。
このような調査結果がどんどん出てくると、投資家は、企業の成長性を見極めるため、人的資本の情報開示にさらに注目するようになるでしょう。