2022/10/20

【新】行動遺伝学で解明。知能や学力は「生まれが9割」

NewsPicks編集部
2021年の新語・流行語大賞でトップ10に入った「親ガチャ」
子どもの人生は、親の収入やしつけ、遺伝に左右され、スマホゲームの「ガチャ」と同様に自分では選べない。
親が“当たり”か“外れ”かで一生が決まる、という考え方をあらわす言葉だ。
現代の若者たちには、人生の不遇を「親ガチャ」のせいにして、「努力しても仕方ない」と諦める人が少なくないという。
しかし「親ガチャ」で、本当に人生は決まってしまうのだろうか。
その疑問に答えて反響を呼んでいる本が、『生まれが9割の世界をどう生きるか』(SB新書)だ。
今回の「The Prophet」では、同書の著者である慶應義塾大学文学部教授の安藤寿康氏に、「親ガチャ」との向き合い方について、話を伺った。
INDEX
  • 「遺伝学」だが、遺伝だけじゃない
  • 双生児法と遺伝子検査技術の発達
  • 「CHAOS」が学力を左右する

「遺伝学」だが、遺伝だけじゃない

──まず、先生が研究されている「行動遺伝学」とは何か、改めて教えてください。
安藤 一言で言えば、「行動に対する遺伝と環境の影響を明らかにしていく」学問です。1970~80年代に立ち上げられたので、比較的新しい学問といえるでしょう。
「遺伝学」という名前がついているので、遺伝だけを研究しているとよく誤解を受けるのですが、そうではありません。