[ロンドン 17日 ロイター] - トラス英首相は17日の、政権発足早々に打ち出した大型減税などの政策面で「失敗」があったと認めて国民に謝罪したが、辞任する考えはないと明言した。

「私はこれまでの間違いの責任を受け入れ、謝りたい。エネルギー料金の負担に苦しむ国民に手を差し伸べるために、高い税金の問題を何とかしようとしたかった。だが、踏み込み過ぎたし、拙速でもあった」とBBCに語った。

トラス氏は当初財務相に起用したクワーテング氏を更迭し、後任となったハント氏は結局、大型減税案の大部分を撤回するとともに、エネルギー料金負担支援措置も縮小するなど、財政政策を大幅に軌道修正した形だ。

このため、もはや政権は事実上ハント氏が切り盛りし、「お飾り」の存在になったのではないかと質問されたトラス氏は、自身が方向転換の必要性を承知したからこそ、ハント氏を任命したと強調。「私が行動せず現状維持のままであったなら、国益の観点でどこから見ても無責任のそしりは免れなかった。われわれが政策を変えたのは正しかった」と述べた。

その上で、次の総選挙まで与党保守党を率いると表明し「私は今の場所にとどまる。なぜならこの国のために仕事をするように選出されたのだから。それが私の決意だ」と言い切った。

自身の政策が及ぼした影響については、家計にとって非常に困難な状況であることは認識しており、支援のためにできることをすると答えた。ただ、当初予定していた2年間の家計・企業向けエネルギー支援策は来年4月までに短縮される。

トラス氏は「最も脆弱な人たちは、来年の冬まで保護されるだろう」とし、対応については検討中だとした。