モデルナ オミクロン株「BA.5」対応ワクチン 厚労省に承認申請
コメント
注目のコメント
モデルナ社のオミクロン株対応ワクチンとは、オミクロン株の遺伝子配列を用いたmRNAワクチンのことですが、現在世界のいずれかの国で発売されているものは、2タイプあります。
(1) 日本で承認されたタイプ:オミクロン初期型株BA.1とオミクロン株でない従来株(起源株)の遺伝子配列の2つを用いた2価ワクチン
米国では数千例規模の臨床試験を行ったうえ、先行して申請されながら現時点で未承認(後に開発された(2)を優先させたため、承認はおそらく見送り)
(2) 米国で使用が許可されたタイプ:オミクロン株BA.4とBA.5の遺伝子配列の2つを用いた2価ワクチン
米国政府が承認ポリシーを変更したあとの2022年7月に申請されると同時に製造に入り、異例のスピードで2022年8月31日に米国で承認。米政府は7月下旬の時点で、変異株をベースにしている点以外が同じワクチンの場合、審査を簡略化できるようにポリシー変更していました。
「BA・5対応ワクチン着手 モデルナ、FDA勧告受け」(共同通信 2022年7月12日)
https://newspicks.com/news/7303349?ref=user_1310166
日本で承認された(1)(BA.1/起源株)は、外国での多人数での臨床試験の実績はありますが、オミクロン株BA.4/BA.5株での変異は組み込めておらず、これら変異株に対する抗体が効率よく作られる点で(理論的には)劣ります。従来株からオミクロン株BA.1に変異した時点で遺伝子の大幅な変化が起こっていることから、BA.1をベースにしている(1)でも、現在使われているワクチンと比べると、オミクロン株に対する効果はかなり高いと考えられています。
米国で承認された(2)(BA.4/BA.5)は、まとまった人数が参加する臨床試験はされていませんが、BA.4/BA.5の遺伝子配列に対応しています。
今回日本で上記(2)も申請するというのが今回の報道です。米国で許可されれている(2)のワクチンは「2価ワクチン」であり、「BA.4」や「BA.5」の「メッセンジャーRNA」は含みますが、起源株は含まれていなかったはずです。したがって、記事本文中「・・それに従来の新型コロナワクチンに対応する成分を含む・・」という説明個所については誤りと思います。