[ブリュッセル 4日 ロイター] - 欧州議会は4日、欧州連合(EU)域内で2024年秋までに携帯電話やタブレット、カメラなど計13種の電子機器について、充電端子の規格を統一することを承認した。世界で初めての取り組みとなり、米アップルが競合企業より大きな影響を受ける見通し。

当初案では7種類の機器のみとなっていたが、対象範囲を拡大した。26年からはノートパソコンにも適用される。

EUが既に合意していた案を認めたもので、基本ソフト(OS)のアンドロイドを採用した端末で使っている「USBタイプC」をEU標準とする。アップルは違う端子を使っている「iPhone(アイフォーン)」などの充電器端子の変更を余儀なくされる。

欧州議会は、賛成602、反対13の圧倒的多数で規格統一案を承認した。

この変更は何年も前から議論されていた。iPhoneとアンドロイド搭載のスマートフォンの利用者からそれぞれに異なる充電器を使わなければならないという苦情があったためだ。

アナリストらによると、消費者がアップルのUSBタイプC以外の端末から最新機器に買い換える可能性もあり、プラスの影響も期待できるとしている。

また、この規格統一は電子書籍リーダーやイヤホンなどの技術も対象とし、韓国サムスン電子や中国の華為技術(ファーウェイ)といったメーカーにも影響を及ぼす可能性がある。

アップル、サムスン、ファーウェイのコメントを直ちに得ることはできなかった。

EUの行政執行機関である欧州委員会は、充電器が統一されることで消費者にとって総額約2億5000万ユーロ(2億4730万ドル)の節約になると試算している。

欧州委員会が19年に実施した調査では、18年に携帯電話と共に販売された充電器の半数がUSBタイプB、29%がUSBタイプC、21%がアップルのLightningコネクタだった。