(ブルームバーグ): ディビヤ・ネッティミ氏は10億ドル(約1450億円)余りのコミットメントを確保し、ヘッジファンド運営会社アバラ・グローバルを3日スタートさせた。この業界で女性が率いる企業の開設としては史上最大規模で、今年デビューしたヘッジファンド全体の中でも最大級となっている。

アバラ・グローバルは確保した資金の大部分を投資し始めていると、事情に詳しい複数の関係者が同ファンド設立が公に発表されていないとして匿名を条件に明らかにした。同社の担当者はコメントを控えた。

ネッティミ氏は、アンドレアス・ハルボーセン氏率いるヘッジファンド運営会社バイキング・グローバル・インベスターズで40億ドル余りを運用していたポートフォリオマネジャーで、昨年に同社を退社。関係者によれば、同氏は消費、ビジネスサービスとテクノロジー、メディア、通信セクターの株式への順張り・逆張り投資を行う一方で、未公開企業も支援する方針。

株式相場急落で資金調達が一段と困難になり、業界で最も有能なテクノロジー銘柄中心のストックピッカーの一部でさえ過去最悪の年を経験する状況下で、ネッティミ氏がヘッジファンド運営会社を始動できたことは注目に値する。

女性によるヘッジファンド開設で他に期待が高いのは、マラ・ガオンカー氏率いるサーゴキャップ・パートナーズだ。同氏は2023年に少なくとも10億ドルで自身の会社を設立する見通し。

ネッティミ、ガオンカー両氏は、男性が牛耳ってきたヘッジファンド業界ではまだ珍しい女性リーダーの一部だ。アバラ・グローバル設立自体は歓迎すべきことだが、ファンドが約1万2000も存在し4兆ドル規模の同業界で「2022年に歴史的な始まりとなるのは、いまいましいことでもある」と、キャニオン・パートナーズの元パートナー、ドミニク・ミエル氏は述べた。

 

原題:

Nettimi Is First Woman to Launch Billion-Dollar Hedge Fund (1)(抜粋)

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