ブラジル大統領選 現職VS元職で決選投票へ
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人口2億人のブラジルで、投票率は80%にもおよびます。
投票は義務で、投票しないと
・パスポートが申請できない
・金融機関から融資を受けられない
などの罰則があります。
1億20000票もの票をめぐって、ほぼ一騎打ちになりました。
1位:ルラ(左派) 48.4%
2位:ボルソナーロ(右派) 43.2%
3位:テベト(中道右派) 4.2%
4位:ゴメス(中道左派) 3%
テベト氏は、中道右派とはいっても、ボルソナーロ大統領とはいろいろと合わないので、彼を支持する立場ではありません。予想外の接戦でした。10~15%近く開いていた1位と2位候補の差がわずか5%足らず。現地報道では「隠れボルソナリスタ」の存在、つまり民主主義に対する挑戦的な物言いとかコロナ対策での奇行、環境対策における批判など「支持しているのを知られるのは恥ずかしい」と思っているが、ルーラは嫌だという人が予想以上にいたとされています。
州ごとの得票率をみましたが、貧困層が多い北東部の州では(ルーラの故郷も含まれていることもあり)、ルーラが圧倒。北部アマゾナス州などはルーラが若干優勢でした。
他方で商工業移民が多い南部、金融・経済の中心である南東部(サンパウロ、リオデジャネイロ)ではボルソナーロが強く、また穀物や油糧種子(大豆)の産地である中西部、ベネズエラからの移民などで問題のある北部の小さな州でもボルソナーロが強かったです。
勝負を分ける州といわれることの多い南東部の主要州のミナスジェライス州の得票差がそのまま結果に出たという感じでしょうか。
2次選での勝敗については、今のところルーラ優位は動かずという感じです。シーロゴメスがルーラ支持を表明していますし。
現地の報道もみてますと「分極化」というワードが出てきます。左右の両極端の政治リーダーが目立ちすぎてバランスのとれた主張をする政治家が注目を集めづらかったというわけです。
さて、ルーラになった場合の経済ですが、いろいろなポイントがあります。ルーラが政権を担っていた2000年代は内外環境ともたまたまブラジルに追い風が吹いていました。今回はだいぶ状況が異なりますので一つかじ取りを誤ると経済は不安定化する恐れもあります。前回、第2次ルーラ政権の後を引き継いだ同政党出身のルセフ政権が、(最近英国トラス政権がやったものと同じ)頓珍漢経済振興策を実施し、大失敗したため、その轍は踏んでほしくないものです。
ルーラ陣営の経済チームのギジェルモ・メロという若い学者が注目されているので彼のツイッターなどもフォローしていますが、80年代末にトンデモ経済政策をやっており、現在では「変なオランダ病対策」にご執心のブレッセル・ペレイラ爺と一緒の写真なども出てきていて、「なんだかなあ」という感じです。
その他時代遅れで改革された労働法が元に戻されそうな点が危惧されるところ。
他にもいろいろありますが字数制限なのでまたいつかコメントします。