[2日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラが2日発表した第3・四半期の納車台数は34万3830台と、前年同期の24万1300台を上回って、四半期ベースで過去最高を記録した。ただリフィニティブがまとめたアナリスト予想平均の35万9162台に届かず、第3・四半期生産台数の36万5923台も下回った。テスラにとって、納車台数が生産台数より少なくなるのは最近では極めて異例だ。

内訳は、セダン車の「モデル3」とスポーツタイプ多目的車(SUV)の「モデルY」が32万5158台、高級車の「モデルS」と「モデルX」が1万8672台。

テスラは「わが社の生産台数が増加するとともに、輸送のピーク時に妥当なコストで完成車を輸送する能力を確保する難しさが強まっている」と説明した。

一部のアナリストからは、世界的な景気悪化を背景に、EV需要自体に陰りが生じることを懸念する声も聞かれる。

ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、ダン・アイブス氏は、テスラにとって主なマイナス要素は引き続き物流問題だが、需要問題も浮上していると思うと述べた。「自動車セクターには暗雲が立ち込めており、テスラもそれに無縁ではいられない」という。

OANDAのシニア市場アナリスト、エド・モヤ氏は「EVは恐らく今後少しばかり厳しい道のりをたどる。人々は何か新しい物を買うのをそれほど急がず、やや消極的になるだろうという理由にほかならない」と語った。

それでもロイターが確認したテスラの内部計画を記した文書によると、第4・四半期の生産台数目標はモデル3とモデルYの合計で約49万5000台とかなり高めに設定されている。