人的資本って何? 23年に開示義務化、戸惑う企業相次ぐ
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ちょっととっつきにくいテーマかもしれませんが、世界的に投資家は企業の財務状況だけでなく、人的資本を重要な投資情報とみなすようになっています。これを受け、日本でも2023年3月期の有価証券報告書から約4000社の企業が人的資本情報の開示を義務付けられる見込みと言われています。
企業では担当者が、開示しなければいけないデータをどのようにまとめてどのように開示したらよいのかという喫緊の方法論に困っていると言います。でもこれを機に、戦略人事、つまり企業の戦略を受け、それを実行するためにどのように人事施策に落とし込んでいくのか、どのようなスキルを持った人材がどのポジションに必要かという議論のきっかけになればよい思います。
これは投資家にも重要な情報ですが、企業で働く社員にとっても自分のキャリアやスキルアップを考えるのに重要な情報でもあります。事実、人的資本開示の具体的な手法を示す一例と言われるISO30414では、開示先として社外(投資家や採用応募者)とともに社内(社員、または開示先と特定された社員)も指定しています。
人的資本開示は、その本質的な目的からみても、投資家だけでなく働く社員一人ひとりにとって有用な情報になるべきだと思います。事業戦略を組み合わせた人材戦略を作り、投資家や従業員からフィードバックを受けて戦略を見直す。こうした循環を繰り返して「選ばれる企業」になれるか。
→人材育成という企業ごとに依存してしまう分野について、情報開示することで第三者からフィードバックをもらってPDCAサイクルを強制的に回すのは、企業並びに日本の人的資本を高めるためには良いことだと思います。
ただ、新しい仕組みで専門家等もほぼいないと思うので、開示義務が発生するタイミングまでに企業側はしっかりと準備しておくべきかと思います。