【超名門】米イェール大が明かす世界トップ校の作り方
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このNP渾身の本稿から学ぶべき最も要事な事のひとつは以下でしょう。
同大の去年のリターンは40%だった。
これはスゴイ、と評価すべき数字ではない、アグレッシブな投資方針を採用している、と見取るべき数字です。
という事はつまり、今年はマイナスになる事がほぼ必死、という事、これが重要。実際過去パフォーマンスのグラフを見るとリーマンショック時はざっと3割ほど大きく凹んでいる。当時の株式インデックスと同程度のマイナス幅です。
アグレッシブというとソフトバンクGなどのようなものを想像するかもだがあれは世界一極端なアグレッシブにてそこまでではない、が他の日本の普通の年金ファンド、企業ファンド、ソブリンファンド等よりはずっとアグレッシブ、つまり株式やVC等オルタナ資産へのアロケーションが大きい、という事です。
そのようなボラを、GPIFのパフォーマンスが1年で上がった下がったと素人目線でメディアが書き立てたり世論が毀誉褒貶を与えるような日本社会が許容するか、という事でしょう。
逆に許容どころか奨励するくらいでないと、米大学のようなパフォーマンスを出せ、というのは無茶ぶりという話。
実際、「投資銀行で最初のスワップ取引を発明した人物としてウォール街で有名だったのです。教授らは賭けに出て、当時の学長を説得して32歳という非常に若かったデイビッドをイェール大学で運用責任者として採用しました」 というとんでもなくアグレッシブな事をした結果、同大の資産はデビッド氏就任来ほぼ100倍ほどになった。リスクを取ったからそうなった。デイビッド・スウェンセンは最も著名な運用責任者であり、彼の元でイェール大学は異例の大きさのアロケーションをアルタナティブアセットに割り当て、中でもVCファンドへのアロケーションは20%近くの非常に大きなものを設定したことでも知られています。
https://mkventurecap.medium.com/why-yale-boosts-venture-capital-43f5c8535f96
もし、10兆円ファンドが、そもそも言われているようなスタートアップを含む成長アセットに投資をして高めのリターンを目指すのだとしたら彼のような人間をマーケット水準の報酬を払って採用し、長期間責任者として任せて、組織として長期的な運用をできる体制を作っていくことが不可欠だと思います。同様の取り組みは大きな予算を持つ他のハーバード大学等の有力大学でも当然行われています。10兆円大学ファンドを作るにあたり参考にされたのが、アメリカの一流大学が独自に持つ大学基金です。特にイェール大学の大学基金は、高い利回りで大きな資産を形成した成功例として有名です。
いずれも世界大学ランキングで上位に名を連ねるイェール大学とカリフォルニア大学バークレー校の元学長らに洪記者がインタビュー。「トップ校の作り方」に迫りました。
取材中、両者ともに中国の大学の躍進ぶりや、中国政府の高等教育への投資方針に触れていたのが印象的でした。
もう一つ印象的だったのが、UCバークレーのウィルトン副学長の次の言葉です。「ある部門が赤字だからといって、その活動を継続しないということではありません。大学には、常に赤字の学科や活動があります。それはそれでいいのですが、透明性を確保する必要があります」
つまり、赤字=ダメ、とか、赤字=閉鎖検討対象、ということではないということですね。むしろ、外部資金が取りづらいとか、利益が上がりにくいからこそ、大学として独自に研究資金を配分することも多いと思います。これが学問・研究の場である大学の経営が一般企業と大きく異なるところかと。