金融庁、仕組み債巡り3メガや地銀に立ち入り検査も-屋敷審議官
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中長期的に見て株の期待リターンは社債より高く社債の期待リターンは預金より高いというのは成り立ちますが、マイナス金利政策で預金のリターンがゼロに近く社債の利回りも低い中で、普通の預金利率を超える利率を謳う預金や普通の社債利回りを超える利回りを謳う債券は胡散臭いと思っておくのが正解です。株式やらなにやら複雑なオプションを伴うものは尚更です。
「仕組み債はデリバティブ(金融派生商品)が組み込まれており、公正価値と販売価格が異なる実態を開示しないまま販売している」とありますが、要は銀行が客にオプションを売らせてその対価を銀行と顧客が分け合う形で利回りを高く見せるのです。デリバティブを売ったリスクは顧客が負うわけですが、顧客が受け取るべき正当な対価の多くが銀行に抜かれるのですから堪りません。要するに、普通の預金や社債と比べ、その分、客が損するように出来ているのです。
複雑な商品は多々ありますが、試しにネットを検索すると、1年満期で満期延長最長10年、金利0.5%で満期日に継続するか解約するかは銀行次第という比較的分かり易い預金商品がありました。預金金利がほとんどゼロで10年物国債金利を日銀が0.25%に抑え込む環境下、一見魅力的な利回りに見えますが、金利が下がれば銀行が1年後に解約するので0.5%は1年間しか受け取れず、金利が大きく上がれば銀行が継続するので0.5%の預金を預け続ける顧客は大損です。解約して預け直せば高い利回りが取れるのに、それが出来ない仕組みになっているからです。
これ、預金者が銀行にオプションを売って銀行からオプション料を受け取る取引ですが、適正なオプション料が幾らかは素人には分かりません。オプション料の多くを売り手の銀行がこっそり懐に入れ、残りを預金金利に乗せて0.5%という高めの数字を見せているのでしょう、たぶん。オプション料を全て預金者が貰って普通の預金と引き合うのですから、オプション料の一部を銀行に抜かれると、預金者はその分、はじめから損させられているのです。そりゃ問題にもなるでしょう。こうした商品は、私が銀行で商品開発部門を担当していた1990年代初めに既に登場してました。私の部門はこうした商品は作りませんでしたけどね (^^;EB債の問題は大昔からある話で、
個人投資家だけでなく学校法人や公益法人も
高額な損失を出して、何度も問題になっています。
例えば、こんな感じで。
野村証券の敗訴確定 仕組み債販売めぐる訴訟で:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG3005D_R30C13A1CR8000/
ニュースになってない巨額損失事案となれば、
もっと強烈なものもあると言われています。
「債券」という元本保証されてそうな名称で、
勘違いする人が少なからずいるのかもしれませんね。適切な販売フローを経ていなければもちろん募集人が悪いし、管理監督できなかった組織の責任。
でも契約者保護や消費者保護が過剰に叫ばれる事で『私は聞いてない』『そんな難しいもの素人にわかるわけない』と自己都合を通すために様々な嘘をつく人も少なからず実在する。
オススメするのは企業や募集人努力である必要はあるが…
・重要事項説明は募集人からの説明
・監督庁認可の説明動画等を視聴
・重要事項理解度チェック
・理解度を証明できた者のみ契約
のようにする事で、
契約までのハードルは上がるが、契約者および募集人双方の保護に繋がると思う。
金融教育が進むと、こういったトラブルの傾向も変化していくのだろうか。