2022/9/8

【幹部直撃】ソニーが買収した「アニメ配信サービス」が面白い

NewsPicks編集部 記者
「クランチロール」というサービスをご存じだろうか。
お菓子や新種のすしを彷彿とさせるネーミングだが、1.2億人以上のユーザーを抱える、アメリカ発のアニメ配信サービスだ。
いわば、アニメ特化型のネットフリックス。広告つきなら無料で多数のアニメを視聴でき、毎月10ドル(約1400円)払えば広告なしで最新作も楽しめる。
有料会員は実に500万人超え(2021年8月時点)。特にここ2、3年ですさまじい伸びを見せている。
日本のアニメ業界は、長年海外市場を放置してきた。「ニッチなファンはいるものの、稼げない」というイメージが根強かったためだ。
そんな中でクランチロールは、アニメのデジタル配信を2000年代半ばにいち早く行い、海外のファンを開拓してきた。
ビジネス展開は、ディズニーに近い。サブスクだけでなく、グッズ販売やイベントなど、ファンのニーズをつかんで多角的に稼いでいる。
その可能性に、ようやく日本プレイヤーも目を向けはじめている。2021年8月には、ソニーが約12億ドルという大金をはたいてクランチロールを買収した。
クランチロールは、いかにして海外で熱いファンコミュニティを育み、それをビジネスにつなげてきたのか。
NewsPicksは、創業初期からクランチロールに在籍するCOOのブレイディ・マッコラム氏を直撃。日本でまだ知られていない、クランチロールのビジネスと今後のポテンシャルに迫った。
INDEX
  • 「海賊版」に見出したチャンス
  • ファンから送られてきた「現金」
  • 「誰にでも刺さるサービス」は要らない
  • ビジネスは「ディズニーモデル」
  • 「ニッチ」の域を超えた
  • ソニーが12億ドルで「お買い上げ」

「海賊版」に見出したチャンス