「後継者不足」は大企業の方が深刻? 時価総額5兆円「日本電産」が渡せないバトンの行方
コメント
注目のコメント
大企業が後継者不足なのであれば、デフレマインドに侵されていない外国人経営者を引っ張ってきた方が、日本企業の異常な貯蓄超過が是正され、むしろ日本経済全体にはプラスになる可能性もあるかもしれませんね。
的を得ている部分も多いが、外国人CEO云々について少し首をかしげる。
1.比較対象が違う。時価総額では、文中に出たインド系CEOグーグル95兆円、マイクロソフトは271兆円。一方、日本電産は5兆円、ユニクロは8兆円、ソフトバンクは9兆円。桁違いではなく、二桁違い!たとえ話だが、日本の中で数兆円のこれらの企業と数百億円の企業のCEOを比べるか?
2.対象業界が違う。文中にて言及された米国2社はIT、日本は2社がメーカー、1社は投資業。
3.対象人間が違う。グーグルのピチャイ氏は米国の大学、ナデラ氏は米国の大学院を出ている。つまり片方は10代後半から、片方は20代前半から米国にいる。ましてやインドは連邦政府の公用語として英語が指定されている。逆に、日本の外国人CEOは武田薬品や三菱ケミカルなど、どちらも日本に滞在歴がほとんどなく落下傘的な「本当の外国人CEO」。
日本の大企業後継者不足は確かに深刻の問題。下記の観点はどうか?
アップル:355兆円、クック氏は38歳のCOOとして入社。13年後CEOへ。
マイクロソフト:271兆円、ナデラ氏はサンマイクロで数年、25歳にマイクロソフトへ入社。22年後CEOへ。
アマゾン:182兆円、シャシー氏はMBA卒後すぐ29歳にアマゾンへ入社。24年後CEOへ。
グーグル95兆円:ピチャイ氏は2年マッキンゼーの後32歳でグーグルへ入社。15年後CEOへ。
共通点:
1.(比較してはいけないが)日本電産などのような外部CEOではなく、最低でも13年間経験、アップル以外は若くしての入社組。
2.CEOになる人は50歳前後。
3.どちらも生まれて政府公用語は英語のCEO。
4.どちらも国籍は米国。
こういう比較記事のほうがよりヒントを得やすいではないかと思う。意外と米国企業は保守的なところとオープンなところを両方備えてると私が思う。1代で大企業を作るような人は良くも悪くもサイコパス的な資質を持つことが多く、長年その地位にあることで特別な存在となり離れるのが難しくなる。社長業を譲ったところで優秀であることと創業社長で大株主である人とは権力基盤も打てる手の大胆さも違ってくる。
僕は稲森さんも孫さんも柳井さんも大病か死のようなキッカケがないと引き継ぎは無理だと思う。後継者に譲るというよりは本人が抜けてもそこそこ回るって仕組みにする方が大事だろうし、そうしているように思うし、次がそこまで上手くできなくても仕方がないと思う。
そういう企業の後継者を心配するより、普通の大企業から自然に生まれてくるサラリーマン社長がなかなか成果を出せない部分の方が問題だと僕は思っていて、問題がある時に外部からプロ経営者を連れてきて改革するみたいな流れがもっとあった方がいいと思う。