【3分解説】FRBパウエル講演の「真意」を読み解く

さまざまなイベントが対面で戻ってきている中、年次シンポジウムの「ジャクソンホール会議」が3年ぶりの対面開催となりました。

ジャクソンホールってどこなの？という感じではありますが、ワイオミング州の高級リゾート地で、この夏の時期は金融関係者やメディアで非常に賑やかになります。

この会議がなぜ注目かというと、FRB並びに各国の中央銀行トップたちが集結して今後の政策を話し合い、そこでの発言が金融市場を大きく揺るがした、ということが起きているからです。つまりこの場所が、今後の先行きを占う場所だということなのです。

今回のパウエル議長の発言をきっかけにダウ平均は1008ドル安に落ち込みました。発言がどんな影響をもたらしたのか、今後の見通しはどうなのか、専門家が解説します！

FRB議長パウエル、予想通りタカ派発言でしたね。これに動揺した投資家はどれだけマヌケなのか😅 早期の利下げは無くなった。FRBは景気を殺してもインフレを抑えにいく。9-10月にかけてもう一段の株価下落はありそう。まあ今年しっかりとアク抜きをして来年は回復期に。Cryptoの底打ちはその2-3ヶ月前になると思う

中央銀行が金融引き締めを緩めるとの楽観論が市場で大勢となり、株価が上昇局面となっていた中でのパウエル議長の講演。インフレに早くから懸念を示し中央銀行の姿勢にも批判を続けてきたサマーズ元財務長官は恒例の週末Bloomberg Wall Street Weekインタビューで珍しく“痛みを伴うことも認めた上でのインフレ退治重視”のパウエル議長の発言を高く評価しました。中央銀行の発言に一喜一憂の株式市場ですが、サマーズ氏は、インフレ率を2%にまで収束させるには、失業率上昇や景気後退が不可避と発言。インフレ脅威の見方には大きな格差を感じました。株式市場はインフレの脅威をまだ十分には相場に織り込めていないのかも知れません。https://youtu.be/p07aOg-ttw4

米国債券市場は、ジャクソンホールまでに１ヶ月間かけて、ゆっくりと利上げペースを上方修正してきた。ゆえにジャクソンホール後にもほとんど動きはなかった。一方で米国株式相場は、決算発表というイベントもあったことから、ほとんどこの利上げに無頓着だった。しかし、それを良いとこ取りと切り捨てられない面もある。ご興味あれば、下のブログで。

https://note.com/cjdbx883/n/n19d349e09e5a

1970年代の高インフレによって、米国は弱体化しました。1980年代、日本は「日ののぼる国」として米国企業や不動産を買いまくった経緯があります。

高インフレは国力を弱体化させます。痛みを伴っても、インフレ退治を徹底する、という姿勢を今回はしっかりと発信しました。

不況の足音がすぐそこに聞こえてくる、とJPMorgan ChaseのダイモンCEO。しっかりベルトをしめなければならないと語っていました。

市場が勝手に期待するFRBの早期利下げ観測の芽を摘みたかったのでしょう。

金曜日のジャクソンホールと、その前後しばらくのインフレ、金利、株式市場の文脈について、コンパクトだが丁寧に解説がまとまっていると思う。

過去15年間、金融危機以降は、米国に限らず中銀の金融政策に経済と株式市場は救われてきた。そして、それに金融市場が慣れてきた側面があると思う。
ただ、その間に雇用を含む経済全体は課題になっても、インフレは課題にはならなかった。そこが今回は違い、またインフレコントロールは、どの中銀でも責任範囲に入っていること。

マーケット影響を語るような解説ばかり目についていたのですが、なぜこのタイミングでこういうメッセージを発したのかが考察されていて、腑に落ちました。

政策そのものももちろんですが、期待形成も中央銀行の大事な役割ですね。