ホンダ、中国抜きのサプライチェーン構築へ
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コスト競争力を重視するか、中国リスクを考慮してサプライチェーンマネジメントからリスクを排除するのか。2020年の武漢コロナロックダウン以来続く議論に一つの答えを出した格好だ。いずれにせよ、2010年以降、国内自動車産業は中国依存を高め過ぎであることは明白で、調整を図ることは合理的である。コスト競争力とSCM/BCPの両立が望ましいところであるが、今は、SCM/BCPをやや優先しなければならない世界情勢である。中国抜きで、ホンダがどうコスト競争力を確立できるのか、今後の施策に注目したい。
ホンダによる検討は先駆的な動きだと理解しました。同社にとって、「世界の工場」、「世界の市場」としての中国が重要、或いは益々重要になっているからこそ、地政学リスクに本格的に巻き込まれる前に先手を打とうということなのでしょう。私は中国と、欧米を中心としたその他を切り離すサプライチェーン再構築のプロセスを「鎖国型デカップリング」と解釈してきましたが、呼称はさておき、ホンダの検討はそれを彷彿とさせるものです。
良いか悪いかは別として、中国当局もホンダの考え、動きを支持すると思います。経済安全保障としてはニュースとなるタイミングが少し早いようですが、ホンダの反射神経は鈍っていないようです。広州本田として中国事業に早い段階から参画し独自のサプライチェーンづくりに苦労をしていただけに、大きな決断に違いありません。
ソニーとのBEV合弁もそうでしたが、自動車産業界で世界に先行した動きができることこそ、これからの勝ち抜く企業の条件。いろんなハレーションを気にして動けない経営者が多い日本にあって、このニュースが本当ならば社内で変わり者と言われてきたホンダ三部社長の英断となりそうです。