[ベルリン 18日 ロイター] - 複数のドイツ政府高官は18日、ショルツ首相の来週22─23日のカナダ訪問日程を明らかにした。ハベック経済相や経済界代表団も同行する。ロシアへのエネルギー依存から脱却するため、カナダからの水素供給網の構築のほか、カナダ産天然ガスの輸入も目指す。ウクライナ情勢も議題にする。ショルツ氏のカナダ公式訪問は首相就任以来、初めて。

ドイツの首相がカナダだけ訪問して帰国するのも珍しく、カナダをいかに重視しているかの表れとしている。

ショルツ氏は21日夜にモントリオールに向けて出発。22日はエネルギー部門の協力に向けた協議に当てる。人工知能(AI)とアルゴリズムの研究所も訪問。カナダの年金基金の代表らとも面会し、ドイツの再生エネルギー移行に向けた投資誘致を協議する。

23日にはトロントでの2カ国経済協力会議で講演。会議はエネルギー安全保障や将来技術や自動化がテーマという。ショルツ氏はその後、カナダ東海岸のニューファンドランド島にある小さな町、スティーブンビルに移動し、トルドー首相との水素協定調印式に出席する。スティーブンビルは風力を利用した輸出用燃料の製造施設を建設する計画がある町。

財界同行団にはエネルギーや環境や自動車、化学や運輸や鉱業分野の経営幹部が参加する。ある消息筋は、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のヘルベルト・ディース最高経営責任者(CEO)も同行すると明らかにした。

ただ、政府高官らはこうした努力は長期的な解決策にはなるが、実際のエネルギーインフラの建設や設置には時間がかかるため、今度の冬やその次の冬の天然ガス不足などの懸念はなお続くとしている。