[ロンドン 17日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が17日発表した7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比10.1%上昇した。6月(9.4%上昇)から加速し1982年2月以来の高い伸びとなった。ロイターがまとめたエコノミスト予想(9.8%上昇)も上回った。

CPIは季節調整前の前月比0.6%上昇。

小売物価指数(RPI)の前年比上昇率は12.3%で81年3月以来の高水準だった。

統計を受け、ザハウィ財務相は「インフレを管理下に置くことが自分の最優先課題だ。われわれは、強固で独立した金融政策、責任ある税・支出決定、生産性を高める改革を通じて対応している」と述べた。

イングランド(英中央銀行)は今月初め、0.5%ポイントという27年ぶりの大幅利上げを決定。インフレのピークは、家庭向けエネルギー料金が引き上げられる今年10月で13.3%、今年第4・四半期にリセッション(景気後退)入りし5四半期続くと予想した。

英資産運用会社abrdnのシニアエコノミスト、ルーク・バーソロミュー氏は、インフレ率が上振れるたびに英中銀が直面するインフレ圧力とリセッション(景気後退)の板挟みが厳しくなると指摘した。

同氏は中銀が9月の金融政策委員会(MPC)で0.5%ポイントの利上げを決定すると予想している。

統計の発表を受けて2年物英国債利回りは急上昇し、13年ぶりの高水準を記録した6月21日以来の水準となった。

ただ併せて発表された生産者物価は今後インフレ圧力が和らぐ可能性を示唆した。

出荷・販売価格を反映する産出価格指数は前年比17.1%上昇と1977年8月以来の高い伸びとなったものの、生産コストを反映する投入価格指数は前年比22.6%上昇で、過去最高だった6月の24.1%上昇から減速した。

投入価格指数は前月比ではわずか0.1%の上昇で今年最低の上昇率となった。世界的な景気減速や原油価格の下落を反映して鉄鋼需要が減退したことが一因。

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