インド、先進国入り目指す モディ首相、今後25年で
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今年で独立75年ですから、25年後は独立100周年になります。25、という数字は、キリがいい、という以上の理由はないでしょう。
モディ首相の演説の前半を占めていたのは、「インド独立戦争」の貢献者たちへの賞賛でした。
「インド独立戦争」というのは、モディ首相の属するインド国民党(BJP)では、1857年のインド大反乱から、独立までの様々な反乱のことを指します。国民党は、ガンディーやネルーを独立の貢献者として評価していません。最大野党の国民会議の中心人物たちだったから、というのもありますが、チャンドラ・ボースの方をはるかに高く評価しています。これは、現在の政権による教科書の書きかえにも反映されています。
最初に名前を挙げたのは、反カースト運動と現代インド仏教再興で知られるアンベードカルです。これは、選挙も意識してのことでしょう。
次いで名前を挙げたのが、ヒンドゥー・ナショナリズム運動の祖で、ガンディー暗殺の際には教唆犯として逮捕された(有罪にはならず)、サーヴァルクルです。本音では、モディ首相が最も評価しているのはこの人物でしょう。
モディ首相らヒンドゥー・ナショナリズム運動の民族義勇団(RSS)が考える「先進国としてのインド」というのは、このヒンドゥー・ナショナリズム運動の発展の上にあるもので、かなり独特のものです。GDPとかOECDに加盟するとかいう基準ではありません。
モディ政権は、先進国となるための「5原則」を掲げていますが、何よりも優先されるのが、植民地時代の要素の払拭です。英国的要素、さらにムスリムが立てたムガル帝国のムスリム要素を排除し、彼らが考えるヒンドゥー化を進めることが、先進国化です。
軍事力の独自開発、欧米を模倣しない独自の制度、インドの伝統(ヒンドゥー教のこと)に根差した独自の先進国、全ての分野で輸入を減らして国産化を進める(「子供が外国製のおもちゃで遊ばないですむ国にしよう」)といった目標がしきりに強調されていました。そのための手段として、再生エネルギーの開発やデジタル化も推進していく、と付け加えられていました。塩崎先生のコメントを読むと、インドの基準では日本は先進国ではないなというのと、ロシアの言う多極化に共感しそうな価値観だなというのを思いました。
必ずしも人権などはキーとして考えられていないような印象。この記事にあるような、女性の社会進出とかもあまり眼中には無いのでは。
アジア初の先進国を目指すというか、オスマンやムガール以来の非西洋的な大国を目指すというか、そんな野望を感じますね。先進国とは単なる「経済力」だけではないです。
国としての行動指針や人権への取り組みなど
リーダーとして信頼できる国としての
要素の方が大きいと思います。
全ての人に優しい国が先進国になって欲しいですね。