(ブルームバーグ): 投資運用会社最大手の米ブラックロックは、米暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォーム最大手のコインベース・グローバルと提携し、機関投資家によるビットコイン投資と管理を容易にするサービスを開始する。

4日のニューヨーク株式市場で、コインベースの株価は午前9時36分現在で32%高の106.31ドル。売買は一時停止となった。

4日の発表資料によれば、ブラックロック顧客の一部は同社の投資管理システム「アラディン」を使って、株式や債券といった従来のポートフォリオ資産に加え、ビットコインへのエクスポージャーを管理できるようになる。ブラックロックはコインベースとの提携について、当面はビットコインに重点を置く方針だという。

今回の提携は、ウォール街の老舗企業が仮想通貨と関連テクノロジーへの参入を深めていることを浮き彫りにするものだ。ただ、仮想通貨に関連した資産は今年、壊滅的な打撃を被っている。ビットコインの価値は年初来で半減。ステーブルコイン「テラUSD」の崩壊や仮想通貨ヘッジファンドのスリー・アローズ・キャピタル破綻を受けて、市場の反発力への疑念が強まっており、規制当局による取り締まりも強化されている。

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コインベースは証券として登録されるべきだったデジタル資産の取引手段を不正に提供したかどうかを巡り、米証券取引委員会(SEC)の調査を受けている。ブラックロックがコインベースとの提携を選んだのは、市場におけるプレゼンスの大きさと、トレーディングやカストディー(保管・管理)サービス、プライムブローカレッジ、リポート能力の役割が決め手となった。新たなサービスは両社の顧客に利用可能になるという。

コインベースを米SECが調査、仮想通貨上場巡り-関係者 (1)

原題:BlackRock Teams Up With Coinbase in Crypto Market Expansion (1)(抜粋)

 

(第2段落にコインベースの株価を加え、第4段落以降に情報を追加します)

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