[ワシントン/国連 1日 ロイター] - 米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は1日、ペロシ下院議長による台湾訪問の可能性について、ペロシ氏には訪台する権利があるという認識を示した。

さらに、中国が今後数日間、軍事的な挑発行為などで対抗する用意を整えているもようと指摘。台湾付近へのミサイル発射、空軍・海軍による大規模な活動、台湾海峡は国際水路ではないなど中国による「偽りの法的主張」などが想定されるという。

カービー氏はまた、ペロシ氏が実際に台湾を訪問しても、台湾に関する米国の政策に変更はないと強調。米政府内の権力分立により、ペロシ氏が訪台について自ら決断することを中国側も十分認識しているとし、「中国政府が米国の長年にわたる政策に一致する(ペロシ氏の)訪台を、ある種の危機や紛争に置き換えたり、台湾海峡やその周辺での攻撃的な軍事活動を強化する口実にする理由はない」とした。

また、ホワイトハウスはペロシ氏の訪台に関し、中国がさらに「無責任な発言」を行うと予想しているが、米国は中国とのコミュニケーションライン維持を模索するとした。

複数の関係者や台湾のメディアによると、ペロシ下院議長は2日に台湾を訪問する可能性がある。中国外務省の趙立堅報道官は1日の定例会見で、ペロシ氏が台湾を訪問すれば、中国軍は「座視しない」と警告した。

ブリンケン米国務長官も、ペロシ下院議長による訪台はペロシ氏の決定によるものと指摘。同時に、実際に訪問が行われることになれば、「中国が責任ある行動を取り、緊張をエスカレートさせる行動に関与しないよう注視する」と語った。