[ロンドン/キーウ(キエフ) 26日 ロイター] - ウクライナ国営ガス会社ナフトガスは、国際市場で発行した債券の支払いを26日の期限までに履行できないと発表した。ウクライナ政府系企業が債務不履行(デフォルト)に陥るのはロシアによる侵攻開始以降で初めて。

同社は、一部債券の支払いを2年間凍結するという提案に債権者が同意しなかったと説明。ロシアの侵攻で顧客の多くがガス代金を支払えなくなったことを凍結の根拠に挙げていた。

提案が却下されたため、2022年満期債の3億3500万ドルの元本償還と利息の支払い、さらに24年満期債の利払いを26日までに実行する必要が生じた。

同社は声明で「必要な支払いについて内閣の同意を得られなかった」とした。

ウクライナ国立銀行(中央銀行)のシェフチェンコ総裁は、ナフトガスのデフォルトによってウクライナ国債もデフォルトと見なされる「クロスデフォルト」は起きないと述べた。

ナフトガスの収入は昨年、ウクライナ政府歳入の約17%を占めた。

同社は内閣が示した案に基づき債務の扱いについて新たな提案をする準備をしていると表明。政府筋によると、同社は債権者と再び協議するよう政府から指示を受けた。