(ブルームバーグ): 米アメリカン航空グループは、7-9月(第3四半期)を含む年内いっぱい運航能力を削減する。航空業界では欠航や遅延といった混乱が相次ぐ中で運航会社のコストが増大。また景気動向も不安定なことから、旅行需要の回復が順調に進まない恐れが出ている。そうした中、米航空各社の間では運航能力を削減する動きが広がっている。

21日の4-6月(第2四半期)決算発表資料によると、アメリカン航空は運航能力を新型コロナウイルス禍前との比較で第3四半期に最大10%、年末までで9.5%それぞれ減らす。

第2四半期決算については、調整後利益が1株当たり76セントと、アナリスト予想に一致した。売上高は四半期ベースでは過去最高となる134億ドル(約1兆8500億円)で、市場予想(約132億ドル)を上回った。

アメリカン航空グループ:2Q調整後1株利益、市場予想と一致

主な競合他社と同様、アメリカン航空も燃料・労働コスト上昇への対応に取り組んでいる。同社は第3四半期の有効座席マイル当たりの非燃料コストについて、2019年との比較で最大14%上昇すると予想。デルタ航空は同22%上昇を見込んでいる。

ユナイテッド航空は年内、運航能力をコロナ禍前との比較で13%減らす。デルタ航空も運航能力の制限を続け、6月の水準を年内いっぱい維持する。第3四半期は19年を最大17%下回る水準となる。

21日の米株式市場でアメリカン航空株は一時7%を超える下落。デルタとユナイテッドも下げている。

原題:American Air, Rivals Limit Flying as Disruptions Hinder Recovery(抜粋)

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