JALが3000人配置転換、LCCなどに ビジネス需要低迷長期化
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航空会社のビジネスは誰がやっても本源的に舵取りが難しく、3〜5年後の経済など誰もがわからないのに、その時点の好景気が続いていると仮定して数百億の航空機を何十機も発注し、それを飛ばすための生産体制を整えないといけず、パイロットや整備人員の要請には数年の年月がかかります。
しかし急にこうした大不況や、さらには戦争まで起きてしまいます。新品の飛行機はたくさん来たのに、シクリカルな経済動向において需要は皆無という状況もどこかで必ず発生してしまいます。しかし固定費がほとんどの為、コスト削減をするのは至難の業です。
世界中の航空会社が軒並みチャプター11を使っているのはこうした事業の不可逆性によります。
公共性の強いインフラですから、民間ではなく政府のサポートを強めるという考え方もあり、シンガポール航空などが比較的安定しているのはそうした背景があります。
グループ全体の10%もの配置転換先を社内で対応するJALは、社員を守り抜く、というポリシーを貫く経営の決意の表れだと思います。こういう有事のときとしては英断だと思いますし1年ほど遅いような気もしています。社内でももう少し丁寧な事業ポートフォリオの説明とかがあるのかもですよね。
こういう時に、どれだけ離職せずにコミュニケーションがとれる求心力を出すことができるかはトップのメッセージ力にかかっているなと思います。こうした動きは、むしろ航空産業のビジネスモデル転換として積極的に評価すべきだと思う。こうしたことは航空産業に限らず、例えばデジタル化が加速する不動産ビジネスでも同じ、あらゆる産業でこれからビジネスモデルの転換が進み、これまで当たり前だった人件費の構造が変わり、サービスのあり方が変わり、付加価値の源泉が変わる。これはいわゆる「リストラ」として後ろ向きに捉えられるべきものではなく、社会の非連続的進化のプロセスとして理解されるべき現象なのだと私は思います。