米決済ストライプ、自社の企業価値評価28%下げ 米報道
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こちらは、Stripeのストックオプションの価値算定のための株価の下落です。スタートアップに吹き荒れる「ダウンラウンド」など、投資家と価値を決める資金調達イベントとは違います。
ストックオプションは、将来的に普通株に転換されて利益を生み、株式譲渡税を支払うことになるかもしれません。また、給与性所得とみなされれば所得税が掛かるでしょう。そのため、将来の税金を正しく決めるため、発行時に価値をきっちり決めておく必要があります。
また、既存株主にとっては、希薄化を招くものです。そのため、安すぎる価格でたくさん発行されると「ぶっちゃけ損」です。
そのため、ストックオプション発行時には「フェアバリュー」で発行しておかないといけません。この「フェアバリュー」は第三者機関にお願いすることで、恣意性を排除します。今回はこの「フェアバリュー」が下がった、ということのようです。逆に言うと、今もらうストックオプションは、前にもらったストックオプションより、利ザヤは大きくなるので、長期目線では従業員にとってはポジティブな面もあります。
フェアバリュー*の算出には、DCF法やマルチプル法などがあります。金利が上昇すればDCFの割引率があがったり、参考とする上場株の株価が下がればマルチプルが下がったりします。「Appleでも」「Googleでも」「Microsoftでも」下がっているわけで、リセッション懸念のある今は「Stripeでも」株価が下がるということなんだと思います。
*注: ここでは簡易的に株式の価値について述べています。オプション(後で事前に決めた株価で株式を買う権利)については、株式のフェアバリューからさらにオプションのフェアバリューを算出することになります。ここでも類似企業の株価ボラティリティを参照するなどいくつかの手法/計算が挟まりますが、ニュースの「企業価値」とは別のお話…たかが企業価値、されど企業価値。未上場企業のそれとは直近の資金調達イベントにおいて発行体とリード投資家の2者間において決めた(それをボードや他株主に必要なオーソライズも経るが)価格であるにすぎないと言えば過ぎない。しかしそれを軽んじるのも違う。当事者として現在進行形で多数のスタートアップに関わっている身としては、とにかくシビアな世界、としか言いようがない。
本当に合理的な価格であれば、これしか下がってないの?相当優秀という話
世界のFintechトップベンチマークはもっと下がってるので