[東京 13日 ロイター] - SBIホールディングス傘下のSBI証券は、3月末に参入した投資一任サービスのファンドラップ「SBIラップ」について、今後2年以内に預かり資産を10倍に増やす方針を明らかにした。同サービスに運用基盤を提供するグループ会社FOLIOを数年以内に上場させる。

SBI証券の高村正人社長が13日までにロイターの取材に応じ、明らかにした。3月末に始めたSBIラップの預かり資産は7月1日時点で110億円まで積み上がった。1年半から2年で1000億円を目指す。インターネット経由だけでなく、代理店や提携する地方銀行との共同店舗を通じても販売する。買収した新生銀行との連携も模索する。

高村社長は「スタートダッシュとしては成功。ネットとリアル両方のチャネルで残高を積みに行く」と語った。

SBIラップは、SBIホールディングスが昨年買収したFOLIOが展開するAI(人工知能)が運用する。地銀などはこのシステムを使い、独自のラップ商品を開発することも可能。SBIホールディングスの副社長も務める高村氏は、FOLIOの企業価値を高めて上場を目指す考えを明らかにした。「SBIラップのみならず、他のチャネル、金融機関に担いでもらうことで、FOLIO自身の預り資産をぐっと上げて最終的に上場につなげていく」と語った。数年以内の株式公開を目指す。

SBIラップの開始以降、株式市場は米国の利上げや景気後退懸念などで堅調とは言い難い。4月7日─5月30日のSBIラップの運用成績はマイナス3.7%と、東証株価指数のTOPIXを下回った。しかし、相場に応じて投資配分を自動的に見直しており、6月15日にリバランスを実行してから30日までの運用実績はプラス3.68%に改善した。

高村社長は「オートマチックにアロケーション(投資配分)の変更などができる商品」と説明。リスク回避局面だけでなく、市場がリスク選好に傾いたときも機動的に配分を見直しているとした。

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