失われたバッファーの回復が急務
U3イノベーションズ
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注目のコメント
公益事業学会でご一緒している阪本さんから寄稿をいただきました。
いまは新電力で電力小売り事業に関わっておられますが、燃料調達業務にも関われたご経験もふまえた、非常に重要な視点です。
日本の電力システム改革の制度設計に、こうした視点が取り入れられていたらなぁ・・・。
>>私は燃料業務に一定の経験を有する人間だが、現下の需給逼迫は、国内に発電用のタネになるカロリー確保を軽視する運用思想に原因があると考えている。「変動再エネを系統に最大限注入したい、需給ギャップは安定電源である火力や揚水が頑張るから大丈夫だろう」という思考でここまで制度検討、実装がなされてきたところ、並行して計画外事象に備える「守備用インフラ」への認識が十分ではなかったのではないか。
守備用インフラとは何か? 発電のタネとなるカロリーを発電所手前まで契約、輸送(フロー)、貯蔵(ストック)するインフラ、さらに需給ギャップのバランス調整能力をいい、火力燃料、原子燃料であれば、燃料調達・輸送契約、輸送手段、貯蔵手段、さらに発電所で需給ギャップに応じて数量調整する能力を意味する。揚水であれば、汲み上げ、貯まった水量を、蓄電池であれば系統もしくは変動再エネ発電電力から充電し需給ギャップに応じて発電する設備、プロセスが該当する。一連のプロセスをまとめて「バッファー」、発電用カロリーとして国内に貯留するまでのプロセスを特に「ストック」と呼称する。