G7、インフラ投資81兆円 途上国支援、中国に対抗
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記事のタイトルや書き方に違和感を覚えました。
G7が「グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGII)」構想を新たに掲げ、途上国のインフラ整備を支援していくのは素晴らしく、かつ必要な取り組みであると思います。能力を持った者には、それを正しく行使する責務がある。当然の過程であり帰結です。
一方、それは、記事に書かれているように、「インド太平洋地域などで経済的な影響力を強める中国の巨大経済圏構想・一帯一路に対抗する」性質のものなのか?そもそも、「対抗」とするからには、PGIIと一帯一路がその形態や目的において同様の性質や枠組みを持ったものでなければならない。ただ私が掌握する限り、中国の一帯一路とは、明確なルール、期限、範囲、金額、対象を伴った枠組みではなく、政権運営への奉仕を目的とする「政治的提唱」に過ぎません。現在では、中国国内ですら、プロパガンダとしてですらあまり聞かれなくなっています。有名無実化していると言えるでしょう。
そんな一帯一路に「対抗」することをPGIIが目指すとしたら、目標設定がズレているというか、G7の責務と役割を過小評価しすぎている気がします。自己卑下にすら映ります。
また、「途上国支援、中国に対抗」とのことですが、中国の「途上国支援」はそのスピード感や規模感には「目を見張る」ものがありますが、特に、現地市民社会やキャパシティービルディング、持続可能性という意味で、成功しているとは言い難い。そんな中国に「対抗」というのは、違和感を禁じ得えません。
問題の本質は、この記事にあるのではなく、我々の目線や認識そのものに見出せると思います。中国が責任ある大国として振舞う上で、それを促す上で、我々は何をすべきなのか。G7から率先して行動すべきです。そもそも中国の世界へのインフラ投資がここまで拡大してきたのは、米国など西側が新興国へのインフラ投資や援助を本気でやらないから。というよりも、「できない」から。新興国のインフラ投資は、費用対効果の面では長期的な忍耐を必要とする。経済面で採算が見えにくいプロジェクトも多いだろう。中国は、経済面で採算が取れなくても、軍事拠点として利用できたり、安全保障上で有効なら迷わず投資してくれる。また、民主主義国では政権交代や国民の関心の度合いにより、こうした新興国支援は方針転換のリスクに晒される。しかも、西側は、金は出すが、現地に労働者を派遣するわけではない。中国なら大量の労働者を、きつい職場に即座に送り込むだろう。更に新興国でのプロジェクトには賄賂などの不正も横行しやすく、西側はコンプライアンス的に計画が頓挫しやすいが、中国はお構いなし、内政にも不干渉という立場を取る。米国を中心とする民主主義国が、新興国のインフラ投資で中国に対抗することは、かなり無理があると思われる。
インフラ整備に投資するための資金ですが、そのテーマとして「気候変動対策」「社会デジタル化(DX)」「保健」が挙げられています。どこかの国も3つとも課題な気がしますね。
古くなって課題満載の仕組みをお金とセットで投入しても新たな課題を生むだけですから、まず自国の課題解決の道筋を優先的に進めながら、世界を分断することなく持続可能な仕組みへ大きくアップデートしていけるかが重要ですね。