2022/6/22

【衝撃】勝つための体を、ヴィーガンで作ってきた

NewsPicks 編集部
世界中で、肉を食べないアスリートが急増している。
細い体型が求められる新体操やスケート選手にとどまらず、体の大きい重量挙げや格闘技の選手までも、こぞって「ヴィーガン」を取り入れているのだ。
なぜ今、体を使うプロフェッショナルたちがヴィーガンに行き着いているのか。パワーの象徴でもあるような動物肉を一切食べずに、世界で戦うことはできるのか。
NewsPicksは、ヴィーガンを実践しながら、北京五輪でフィギュアスケート団体の銅メダルに貢献した、アイスダンス日本代表の小松原美里選手を直撃。
アスリートとしてどのように栄養を考え、どんな食生活を実践しているのか、ヴィーガンを取り入れてからパフォーマンスはどう変化したのか、世界のアスリートが注目する最新の食事について、語ってもらった。
小松原美里(こまつばら・みさと)北京五輪フィギュアスケート・アイスダンス日本代表。1992年岡山生まれ。2018年から全日本選手権4連覇中。2022年北京五輪では、フィギュアスケート団体の銅メダルに貢献。23歳から6年以上ヴィーガンを続けている。
INDEX
  • 急増する「肉を食べないアスリート」
  • イタリアで感じた「死」の恐怖
  • この3食で、結果を出す
  • 牛乳をやめて「骨が丈夫」に
  • 強くなって届けたいこと

急増する「肉を食べないアスリート」

今、アスリートの世界でヴィーガンはかなり増えています。
なぜなら、食事はパフォーマンスに直結するからです。例えば、動物性の脂肪を摂らないことで、血液がサラサラになる。筋肉もスムーズに動かせる。
すると(疲労物質である)乳酸がたまりにくいなど、すぐに効果が実感できます。
私は23歳の時にヴィーガンになりました。それでも数年前まで、年一回ほどお肉を食べていたんですね。
しかし、お肉を食べると明らかに体が重くなる。
ネットフリックスで公開されている「ゲームチェンジャー」というドキュメンタリーを観ると、ヴィーガンがアスリート選手の体にどう影響するのか、よく分かります。
以前は、ヴィーガンのアスリートは海外にしかいませんでした。しかし最近では、日本のアスリートにも数え切れないほどヴィーガンの選手が増えています。
例えばサッカーの世界では、リオネル・メッシ選手がヴィーガンの食生活を取り入れたことから、サッカー選手にもヴィーガンを選ぶ人がとても増えました。
注:メッシは厳密なヴィーガンではなく、シーズン中に肉を食べないなど部分的に採用しているとされる。
またテニスではノバク・ジョコビッチ選手がヴィーガンであるのは有名です。また総合格闘技のネイト・ディアス選手もそうですね。
写真:Abaca/アフロ
今ではラグビーからマラソン、フィールドホッケーまで、あらゆる競技のアスリートたちが、ヴィーガンを選ぶようになっています。
日本人でもとても増えており、長距離マウンテンバイクの池田祐樹選手や、元パラ水泳の一ノ瀬メイ選手がヴィーガンを公表しています。

イタリアで感じた「死」の恐怖