2022/6/16

【社長直撃】最強。日本の「ノースフェイス」の次なる一手

NewsPicks 記者
日本の「アスレジャー」はここだ──。
アパレル業界が苦境に陥るなか、日本で登山用からアウトドア、さらに日常的なファッションまで多様な商品群を展開し、抜群の成長を続けている企業がある。
それがスポーツアパレル企業のゴールドウインだ。
前期は、売上高が前年比8.6%増の982億円を叩き出し、純利益も33.7%増の143億円とともに過去最高を更新し、とうとう来期は、いよいよ売上高1000億円が視野に入ってきた。
そして、この圧倒的な強さの秘訣が「THE NORTH FACE」だ。
誰もが知る人気アウトブランドのノース・フェイスは、ゴールドウインが日本と韓国における商標権を買い取っており、本家の商品に加え、店舗内の約9割を日本独自のファッション性の高い商品も展開していることから、この「日本版ノースフェイス」を目当てに来日する観光客もいるほどだ。
今や、ノースフェイスは売上高全体の約4分の3を占めるほどだ。
では、一体なぜゴールドウインは、ノースフェイスを武器にすさまじい成長を遂げ続けているのか。
NewsPicksでは、日本のノースフェイスを育てた立役者であり、現在ゴールドウインの社長を務める渡辺貴生氏に、その「秘訣」のすべてを語ってもらった。
渡辺貴生(わたなべ・たかお)ゴールドウイン社長/1960年千葉県生まれ。1982年に亜細亜大学卒業後、ゴールドウイン入社。30年以上にわたって日本におけるザ・ノース・フェイスの事業に携わり、同ブランドの成長に貢献。2005年より取締役執行役員ノースフェイス事業部長、17年より取締役副社長執行役員。20年4月1日より現職。(写真:竹井俊晴)

最強ノースフェイスの次なる展開

──2022年3月期の業績は絶好調でした。現在の中期経営計画でも「ノースフェイスの成長余地を探る」を掲げる中、次は何を狙っているのでしょうか。
僕らのアイデアはまだまだ尽きていません。
可能性というものは、自分で作るものです。例えば、新しいカテゴリーを作っていくのは一つの方法です。ここ数年でいえば、キャンプをテーマにした商品を増やしています。