WHOが天然痘ワクチン「推奨」 サル痘予防で医療従事者に
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天然痘ワクチンはサル痘にも十分有効であることが臨床試験の結果から明らかとなっていますが、一方で古典的に使用されてきた天然痘ワクチンでは、重大な副反応が比較的稀ではあるものの問題になってきました。
中でも、脳炎や全身性ワクシニアと呼ばれる副反応は、命にもつながりうる重篤なものです。それでも天然痘の致死率を考えれば十分その使用が妥当なワクチンでしたが、現状のサル痘ではその天秤の傾きが変わります。
しかし、ここで紹介される「新世代」のワクチンについては、用いるウイルスが増幅しないよう工夫を施されており、そのような重篤な副反応が報告されてきておらず、安全性が高められていることから、推奨に至っていると思います。
ニューヨーク市内でも複数のサル痘の入院患者が出ていますが、今のところワクチン接種の話というのは聞いていません。このWHOの「推奨」を受けて何か動きが見られるのかは、まだこれからというところだと思います。天然痘ワクチンはそもそも天然痘のために作られたワクチンです。天然痘は1970~80年頃に根絶しているためワクチン接種は行われていませんが、生物兵器として使用された時のためのテロ対策として国内で備蓄されています(安全上の目的で備蓄数は非公表となっています)。
天然痘ワクチンはサル痘に対しても85%の発症予防効果があることが報告されており、十分な有効性があるといえます。医療従事者は様々な感染症に晒されるリスクが高く、医療従事者自身が感染すると免疫機能が低下している患者さんに感染を広めてしまう危険性があることから、まずは医療従事者の接種を勧めるというのは理にかなっていると思います。WHOの推奨を受けて、各国の政府がどのような推奨をするのか、注目されます。日本では1975年までは
集団接種がされていました。
その様な年代の方も対象にするのか、
1976年以降の未接種者を優先するのか。
そもそもサル痘は致死率が低く、
直近の報告例では死者はいません。
しかも感染力を持つ際には
目に見える症状が出ている訳です。
感染者が出たとしても
適切に症状が落ち着くまで隔離して
被服や接触したリネン類などを
適切に処理出来れば過剰に怖がる必要はありません。
この様な致死率も低く感染力も高くない
感染症の場合には予防接種の副反応次第では、
逆に予防接種の方が問題視される危険性がありますので、
一律接種の必要は無いと思います。
サル痘ウイルス曝露後
4日以内にワクチンを接種すると感染予防効果が、
4-14日にワクチンを接種すると重症化抑制効果
があるとされているので、
接触した患者のPCR陽性が判明した時点で
接触した医療従事者達に
天然痘ワクチンを接種しても十分な気がします。
鑑別すべき疾患の中には、
水痘、麻疹等の空気感染を起こす感染症があるので、
PCR検査による確定診断が出るまでは
医療機関内では空気感染対策を実施することが
推奨されますけどね。