試練を迎えた中国経済 インフラ投資頼みの景気活性化は限界か
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筆者の西村です。
5月は上海のロックダウンに加え、北京でも大規模なPCR検査や交通制限措置の実施、商業施設の一時営業停止など、厳しい防疫措置が実施されました。
1人当たりGDP一位の北京と二位の上海の経済活動縮小が中国経済全体に与えるインパクトは甚大です。
経済の安定成長を目指す中国政府は、6分野33項目の経済対策を公表しました。中でも投資に関しましては、インフラ投資頼みが限界に近付いており、次の一手として「国有資産の有効活用」を打ち出しています。マクロな視点で見れば、その国の経済成長というのは、どれだけ多くの能力ポテンシャルを持った人が存在するか、という事と、どうやって全体としての成果を出す枠組みを作るか、の2つになるのではないかと思う。
中国が行ってきた社会主義と資本主義の融合による経済拡大は、それと同時に多くの優秀な人材を育成した。この育成された人員はその能力を使って、経済拡大に多くの力を提供するだろう。
ただ、それを仕組みとして発揮させるためには、その時点の経済状況、世界環境、人口、年齢などの社会構成をうまく活用したエコシステムが必要となる。
今中国が大きな曲がり角に来ている事は間違いなくて、今後の経済発展のエコシステムを描けるか、というところは確かに大きな問題と思う。
一方で、世界で戦えるほどの能力の高い人は多数育っているから、そのポテンシャルは未だ大きい。そのポテンシャルをいかに生かすか、という部分が今後の課題となると思う。
一方で、日本で心配なのは、仕組みの問題や、政治の問題ももちろん色々あるが、個々人の能力というポテンシャルは高まっているのだろうか?日本という国や企業に絶望した人が増えて能力が流出したり、そもそも世界レベルの能力を育てているのか、そういう意味では中国の心配よりも自国の心配かな、と少し思います。